【1月1日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は12月30日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、風力タービンのせいで米国の国鳥ハクトウワシが死んでいると非難した。

だが、この投稿には二つの問題がある。一つ目はこの写真が米国ではなく数年前にイスラエルで撮影されたものであること、二つ目は写っている鳥がハクトウワシではないことだ。

トランプ氏は、風力タービンの下の鳥の拡大写真を投稿し、「風力タービンが私たちの美しいハクトウワシを皆殺しにしている」と書き込んだ。

ハクトウワシは米国の国鳥で、国章、紙幣、切手、軍の記章などに描かれている。

ホワイトハウスと米エネルギー省が、この投稿をX(旧ツイッター)で共有・拡散した。

トランプ氏は長年、景観を損ない、費用がかかり、野生生物にとって危険だとして、風力タービンに反対しており、この投稿は、トランプ氏による風力発電業界への新たな攻撃となる。

だが、同じ写真が2017年のイスラエルの日刊紙ハーレツの記事にも掲載されている。ハーレツによると、写真はイスラエル自然・公園局から提供されたもので、鳥はハヤブサとされる。

写真に写っている風力タービンの一つにヘブライ文字が書かれているのが確認できる。

この取り違えに対し、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事はドナルドのニックネーム「ドン」を使って「愚鈍なドン(ドージー・ドン)は米国の国鳥がどんな姿をしているのかも分からないのか???」とやゆした。

AFPが取材した2人の独立した専門家は、写真に写っている猛禽(もうきん)類がハクトウワシではないという点で一致した。ハクトウワシは北米に生息し、大きな体と白い頭で知られている。写真の猛禽類はハクトウワシよりも小さく、体色もくちばしの構造も異なる。

専門家らは、ハヤブサの一種であるチョウゲンボウである可能性が高いが、イスラエルではシロエリハゲワシもよく見られると指摘した。

英オックスフォード大学のベン・シェルドン教授(鳥類学)は、「ハクトウワシではないことは間違いない」と断言した。

米マサチューセッツ工科大学(MIT)によると、米国では毎年何十万羽もの鳥が風力タービンに衝突して死んでいるが、鳥は建物に飛び込んだり、イエネコに捕まったりするなどさまざまな原因で死んでおり、風力タービンに衝突して死ぬ鳥はほんの一部にすぎないと説明している。(c)AFP