ケネディ・センターで公演中止相次ぐ、トランプ氏の名前追加にアーティストらが抗議
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【12月31日 AFP】著名なジャズ・グループとダンス・カンパニーが、米首都ワシントンの総合文化施設ケネディ・センターの名称にドナルド・トランプ米大統領の名前を加える改称に抗議し、センターでの公演を中止した。
センターの理事会は今月、「ジョン・F・ケネディ舞台芸術センター」を「ドナルド・J・トランプ・アンド・ジョン・F・ケネディ舞台芸術センター」に改称。
既に故ジョン・F・ケネディ大統領の親族や民主党議員らが怒りを表明していたが、今度はアーティストたちも改称に抗議の声を上げ、年末と2026年に同センターで公演を予定していた複数のアーティストが公演を取りやめた。
ベテラン・ジャズ・アンサンブルの「ザ・クッカーズ」は、予定通り大みそかに公演を行わないことを「深く遺憾に思う」と述べた。
同グループは声明で、「ジャズは闘争と、自由への飽くなき追求から生まれた。思想の自由、表現の自由、そして完全に人間による声の自由だ」と述べたが、公演中止の理由は明らかにしなかった。
だが、同グループのドラマー、ビリー・ハートさんは米紙ニューヨーク・タイムズに対し、センターの改称が公演中止に影響を与えたのは「明らか」だと語った。
理事長でもあるトランプ氏によって所長に任命されたリチャード・グレネル氏は、アーティストたちによる公演キャンセルを非難し、「極左の前所長によってブッキングされた」と述べた。
グレネル氏は29日深夜、X(旧ツイッター)に「芸術への支持を示すために芸術をボイコットするのは、一種の錯乱症候群だ」と投稿した。
別のジャズ・アーティスト、チャック・レッド氏も毎年クリスマスイブにセンターで開催している公演を中止。これに対しグレネル氏は先週末、「人目を引く政治的行動」と非難し、センターとして100万ドル(約1億5600万円)の損害賠償を求めると述べた。
ニューヨークのダンス・カンパニー「ダグ・ヴァローネ・アンド・ダンサーズ」も、4月に予定されていた公演を中止。29日のインスタグラム投稿で、「センターの名称を自身の名前にちなんだものに変更するというドナルド・J・トランプ氏の最新の行動を受け、私たちはもはや、かつて偉大だったこの施設に足を踏み入れることも、観客に来場をお願いすることもできない」と述べた。
先週には、フォークシンガーのクリスティ・リー氏もソーシャルメディアで来年1月14日の公演を中止すると発表。「誠実さを失えば、どんな給料よりも大きな代償を払うことになる」としている。
トランプ氏は今年、「ウォーク(目覚めている、の意。社会問題や人種差別、性差別などへの意識が高いことを示す)」過ぎると見なした施設への取り締まりの一環として、ケネディ・センターの理事の大半を自らに忠実な人物に交代させ、自ら理事長に就任した。
これを受け、多くのミュージシャンやアーティストがセンターでの公演をすでに中止している。
新理事会は、ドラァグショーやLGBTQ+(性的少数者)コミュニティーを祝うイベントを中止し、キリスト教右派向けのイベントを開催し、以前よりもより多くのキリスト教徒アーティストを招待している。
米メディアによると、新理事会が発足して以来、センターのチケット売上は減少している。(c)AFP