【12月30日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は29日、数十年にわたる慣習を破り、ドナルド・トランプ米大統領にイスラエルの文民最高の栄誉「イスラエル賞」(日本でいう「国民栄誉賞」に相当)を授与すると発表した。

ネタニヤフ氏はフロリダ州でトランプ氏と親しく会談した後、今回の決定はイスラエルにおけるトランプ氏の支援に対する「圧倒的な感情」を反映していると述べた。

ネタニヤフ氏は記者団に対し、「トランプ大統領はこれまで多くの慣習を破り、人々を驚かせてきた。そして人々は、『ああ、そうか、結局のところ彼は正しかったのかもしれない』と気付くのだ」「そこで私たちも慣習を破るか、新しい慣習を作ることにした。それがイスラエル賞の授与だ」と語った。

10月、ネタニヤフ氏は、トランプ氏とそのチームが仲介したパレスチナ自治区ガザ地区の和平計画「第1段階」の合意に基づき、イスラム組織ハマスが2023年10月7日の攻撃で拉致し、人質としていた最後の20人を解放したことを受け、トランプ氏をイスラエルの「史上最高の友人」と称賛した。

ネタニヤフ氏はトランプ大統領の受賞理由について、「あらゆるイスラエル国民の圧倒的な感情を反映していると言わざるを得ない」「イスラエル国民は、あなた(トランプ氏)がイスラエルを支援し、テロリストや私たちの文明を破壊しようとする者たちとの戦いにおいて果たしてきた役割に感謝している。つまり、これは感謝と称賛を改めて表明するものだ」と説明した。

イスラエル賞は原則として、イスラエル国民または居住者に授与されるが、それ以外に「ユダヤ人に特別な貢献」をした人物にも授与される。

これまでにイスラエル人以外でこの栄誉を受けたのは、1991年のインド人指揮者ズービン・メータ氏のみとなっている。

トランプ氏は喜びを隠せない様子で、受賞について「本当に驚き、大変感謝している」と述べ、伝統的にイスラエルで独立記念日前夜に開催される授賞式に出席する可能性を示唆した。

トランプ氏にとって、この栄誉は、自らが掲げる「世界平和の使者(グローバル・ピースメーカー)」という称号に新たに加わった宝石のようなものだ。

同氏はスピーチやインタビューで、「八つの戦争を止めた」と繰り返しているが、これは虚偽だ。さらに、人間的魅力と交渉力によって世界の紛争を治め、秩序をもたらすことができるのは自分だけだとも主張している。

トランプ氏は長年、ノーベル平和賞の受賞者予想には動じないと強調してきた。2025年の受賞を逃した際にも、このさりげない主張を改めて強調したが、受賞を逃したことへの不満も口にしている。

イスラエル賞の受賞は、国際サッカー連盟(FIFA)が新たに創設した「FIFA平和賞」の受賞に続くもので、象徴的な承認によって外交努力が認められたことになるが、それでもトランプ氏が公然と切望しているノーベル平和賞には及ばない。(c)AFP