【12月26日 AFP】英国のチャールズ国王は25日のクリスマスメッセージで、世界が「分断」に直面する中、「思いやりと和解」を呼びかけた。

ウェストミンスター寺院で録画され、全国放送されたメッセージの中で、異なる宗教を持つ人々が「平和への共通の願い」を抱いていることを「非常に心強く感じる」と述べたチャールズ国王は、今月オーストラリアのボンダイビーチでユダヤ教の祭典ハヌカを襲った銃乱射事件に巻き込まれた人々を含め、暴力の中で他者を救うために命を危険にさらした人々を称賛。「個人や地域社会は、自発的な勇気を示し、本能的に他者を守るため危険に身を投じた」と、同ビーチでの出来事の映像とともに語った。

第2次世界大戦終結から80年を迎えるにあたり、チャールズ国王は、兵士たちの勇気や、戦後に地域社会が結束した姿が「私たち全員にとって時を超えたメッセージを持っている」と述べ、「これらはわが国を形作ってきた価値観だ」「国内外で分断が語られる今こそ、これらの価値観を見失ってはならない」と続けた。

昨年、チャールズ国王はがん診断を公表した中で王室を支えた医療スタッフに感謝を示すため、もともと病院に併設されていた礼拝堂からメッセージを発信した。

今年は、自身の病との闘いにも、10月に王室称号を剥奪された弟アンドルー元王子にも言及しなかった。(c)AFP