【12月24日 AFP】イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は23日、イスラエルはパレスチナ自治区ガザ地区にとどまり、兵農一体の「前哨基地」を設置すると表明した。

イスラエルメディアによると、カッツ氏は、イスラエルがガザから「決して立ち去ることはない」と述べた。

カッツ氏の発言は、米国などが和平計画の「第2段階」の実施を強く求める中で出たもの。第2段階にはイスラエルのガザからの撤退も含まれている。

ドナルド・トランプ米大統領が発表した20項目から成る和平計画にも、「イスラエルはガザを占領・併合しない」と明記されている。

イスラエルのニュースサイトYnetが公開した動画によると、カッツ氏はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸のイスラエル人入植地ベイトエルで行われたイベントで演説し、「われわれはガザの奥深くにおり、決してガザを離れることはない。そのようなことはあり得ない」と発言。

「われわれは、起こったことを二度と繰り返さないよう、(国を)守るためにここ(ガザ)にいる」と付け加えた。

カッツ氏はまた、1967年からガザを占領していたイスラエル軍が2005年に撤退する際に撤去した入植地の代わりに、ガザ北部に前哨基地を設置すると表明。

「神がお望みなら、ガザ北部に撤去された入植地に代わるナハル前哨基地を設置する」「しかるべき時に適切な方法で行う」と述べた。

だが、カッツ氏の事務所はその後間もなく声明で、カッツ氏の発言は「安全保障上の文脈でのみ行われた」と釈明。

「政府はガザに入植地を設置するつもりはない」と付け加えた。

カッツ氏の発言について、ハマスの広報担当者ハゼム・カセム氏はAFPに対し、「停戦合意の明白かつ露骨な違反」だと述べた。

元イスラエル国防軍参謀総長で無任所大臣も務めたガディ・エイゼンコット氏も、「イスラエルの国家安全保障にとって極めて重要な時期に、政府は広範な国民的合意に反する行動を取っている」と非難した。(c)AFP