トレビの泉、入場料徴収へ 来年2月から370円 オーバーツーリズム対策
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【12月20日 AFP】イタリアの首都ローマ市は19日、観光名所の噴水「トレビの泉」の周辺に立ち入る観光客に対し、来年2月から2ユーロ(約370円)の入場料を課すと発表した。オーバーツーリズム(観光公害)対策の一環。よそ者が対象で、ローマ市民は引き続き無料で入場できる。
ロベルト・グアルティエリ市長は記者会見で、「来年2月1日から、トレビの泉を含むローマ市内の6か所で入場料を導入する」と述べた。他の5か所の入場料は5ユーロ(約920円)となる。
願い事をしながらコインを投げ入れるという伝統が根強く残っており、毎週数千ユーロが投げ込まれる。こうしたコインは当局が集めてカトリック教会が運営する慈善団体カリタスに寄付している。
トレビの泉の周りはしばしば人であふれかえり、じっくりと見物するのは難しい。
グアルティエリ市長は、この大勢の観光客が「有名なオーバーツーリズム問題」による「渋滞」を引き起こしていると述べた。
19日にも、大勢の観光客が泉の周りに集まり、その多くが携帯電話を掲げて写真を撮っていた。
泉のすぐ前のエリアに近づくための順番待ちをしていた湾岸諸国からの観光客は「これ(入場料徴収)は良くない。無料の方がいい」と述べた。
韓国からの観光客は、入場料が導入されたら、再訪するかどうかを「考えなければならない」と述べた。
グアルティエリ市長によると、今年1月1日から12月8日までに約900万人が泉のすぐ前のエリアを訪れた。1日当たり約3万人に上る。
このエリアはスリが多く、ローマ当局は長年にわたり、さまざまな入場規制の方法について議論を重ねてきた。
グアルティエリ市長によると、市はトレビの泉の入場料によって年間650万ユーロ(約12億円)の収入を見込んでいる。
入場券はオンライン、または現地でカードやタッチ決済(コンタクトレス決済)で購入できるという。
チケットを事前に購入した人と、現地で購入する人はそれぞれ別の列に並ぶことになる。(c)AFP