ポーランド大統領、ウクライナを公開非難 戦争支援に感謝していない
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【12月20日 AFP】ポーランドのナショナリスト、カロル・ナブロツキ大統領は19日、ロシアの侵攻を受けるウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との共同記者会見で、ウクライナ国民はポーランドの戦争支援に感謝していないと非難した。
この非難は、2月にホワイトハウスでゼレンスキー氏とドナルド・トランプ米大統領が衝突した場面を想起させる。当時、J・D・バンス米副大統領は、ゼレンスキー氏は敬意に欠け、米国の支援に感謝していないと非難した。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始して以来、ポーランドはウクライナから100万人以上の難民を受け入れるとともに、ウクライナへの主要な武器供給国の一つとなっている。
また、ポーランドは隣国ウクライナへの西側諸国からの軍事支援と人道支援の主要ルートでもある。
ナブロツキ氏はゼレンスキー氏がワルシャワを訪問した際の共同記者会見で、「ポーランド国民は、(ロシアによるウクライナへの)全面侵攻開始以来、ウクライナに対してわれわれが行ってきた努力、多方面にわたる支援が、正当に評価も理解もされていないと感じている」「これは、ゼレンスキー大統領との腹を割った会談の中で私が伝えたことだ」と述べた。
これに対しゼレンスキー氏は、「ウクライナは常にポーランドに感謝しており、これからも感謝し続ける」と強調した。
さらに、ウクライナは多くの人命を犠牲にしてロシアから「欧州を守っている」と主張。
「ロシアは不和を望み、ウクライナとポーランドの何世代にもわたる強固な同盟を破壊しようとしているが、それを許してならない」と付け加えた。
ナブロツキ氏は以前、1943~1945年にウクライナ西部ボルイニ地方で約10万人のポーランド人がウクライナの民族主義者に虐殺された事件「ボルイニの虐殺」について、より緊密な協力を求めた。
ナブロツキ氏は、「ボルイニの虐殺」はジェノサイド(集団殺害)に当たるが、ウクライナが責任を認めようとしないと非難している。
ポーランド政府も、ウクライナ政府が犠牲者の遺体の発掘を遅らせていると非難している。
ゼレンスキー氏は18日、これらの問題に関して友好的な姿勢を示し、「ポーランド側はこのプロセスを加速させたいと考えており、ウクライナ側はそのために一歩を踏み出す用意がある。これは単なる言葉ではなく、具体的な措置だ」と述べた。
ナブロツキ氏は会談後、X(旧ツイッター)への投稿で、ウクライナとの関係の「新たな始まり」を称賛。「プーチン氏にとっては悪い知らせだ」と述べた。(c)AFP
