中国・新疆のスキー場に全国からスキーヤー集結
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【12月29日 CNS】冬本番を迎え、中国北部の各地で気温が大きく下がっている。北京市や新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)、黒竜江省(Heilongjiang)、吉林省(Jilin)などではスキー場が相次いで営業を開始し、ウインタースポーツを目的とした観光が活況を呈している。
なかでも新疆ウイグル自治区は、豊富で質の高い雪に恵まれた地域として注目を集めている。各地からスキーヤーがパウダースノーを求めて訪れ、今シーズンの人気エリアの一つとなっている。統計によると、11月29日から12月4日までの6日間で、新疆アルタイ地区にある主要4スキー場の来場者数は累計15万人を超え、前年同期に比べて約93%増加した。
アルタイ地区は、世界的にもスキーに適した緯度帯に位置し、スキー文化の起源の一つとされる地域だ。アジアでも営業開始が早く、シーズン終了が遅いスキー場として知られる可可托海国際スキーリゾートでは、9月末に初雪が降り、積雪が15センチを超えたのを受けて準備が本格化。10月12日には今シーズンの営業を開始した。
可可托海国際スキーリゾートは、10月から翌年5月まで続く長いシーズンに加え、急斜面や林間コース、モーグルなど自然地形を生かした多彩なコースを備えている。その地形の豊富さから、「中国で最もバリエーションに富んだスキー場」とも評され、初心者から上級者まで幅広い層に支持されている。
今シーズンは施設の改修も行われた。コースの一部拡張に加え、宿泊施設からそのままゲレンデに出入りできる「スキーイン・スキーアウト」型のリゾートが新たに稼働。滑走前後の移動時間が短縮され、滞在中の利便性が大きく向上している。
中国のSNS「小紅書(Red)」では、「可可托海スキー場」をキーワードに、多くの投稿が寄せられている。全国各地から訪れたスキーヤーが、ジャンプや高速滑走の瞬間を写真や動画で共有し、現地の盛り上がりを伝えている。
アウトドア愛好家の倪璽(Ni Xi、仮名)さんは、新疆で今シーズンの初滑りを楽しみ、「可可托海はまさにパウダースノーの理想郷だ」と語る。「雪が軽くて柔らかく、滑走中は雲の上を走っているような感覚だった」という。
より多くの観光客にアルタイの魅力を知ってもらおうと、可可托海国際スキーリゾートは、吉克普林、将軍山、青格里狼山の各国際スキーリゾートと連携し、航空券提示による無料滑走や、ウルムチ市(Urumqi)の市民向けの優待、新疆在住者向けの割引など、複数のキャンペーンを展開している。
一方、新疆ボルタラモンゴル自治州(Bortala Mongol Autonomous Prefecture)ボレ市にあるサリム湖国際スキー場は、高標高と景観の美しさを強みとする個性派スキー場だ。平均標高は3000メートルを超え、最高地点は3539メートルに達する。さらに、1314メートルという大きな高低差を備え、中国でも屈指のスケールを誇る。
高地に位置するため、11月から翌年4月まで安定した雪質が保たれ、良質なパウダースノーが楽しめる。高低差の大きさは、初心者から上級者まで、それぞれのレベルに応じた滑走を可能にしている。
「大西洋最後の一滴の涙」と称されるサリム湖に隣接する同スキー場では、雪山、湖、草原が一体となった景観を楽しめる。アジア最長級とされるパノラマロープウェーに乗れば、白銀の峰々と澄んだ湖水を同時に望むことができ、競技性だけでなく、景観を楽しむリゾート型スキー場としての魅力も際立つ。
今シーズンは、コースや動く歩道、圧雪設備などの改修も完了した。統計によると、2025年10月以降、賽里木湖景勝地を訪れた観光客は累計約49万人に達し、前年同期比で約48%増加している。
中国北西部に位置する新疆は、広大な自然と雄大な山岳景観を有し、アルプス山脈やロッキー山脈と並ぶ良質な雪帯に属する地域だ。近年は、FWT世界フリーライドツアーや国際スキー連盟(FIS)公認大会、アルタイ山周回冬季スポーツ大会など、国際レベルの大会も開催され、世界的なスキー目的地としての評価を高めている。(c)CNS/JCM/AFPBB News