【12月20日  People’s Daily】最近、青海省(Qinghai)国家級自然保護区のココシリ(Hoh Xil)無人地域の奥地にある卓乃湖(Zhuonai Lake)で、「ロボットチルー」がチルー(チベットアンテロープ)の群れへの「潜入」に成功し、群れと共に移動・回遊した。

「ロボットチルー」は、人間が野生動物を観測する際の従来の距離制限を突破し、より近距離で包括的にチルーを観察できる。さらに中国科学院西北高原生物研究所の研究員たちは「ロボットチルー」を使って、チルーの糞や胎盤のサンプリングも実現した。

「ロボットチルー」を使うことで、チルーの行動研究に今後いっそう正確で信頼性の高いデータの採取が期待される。

ココシリは、中国で面積が最大級の世界自然遺産の地であり、平均海抜4500メートル以上の極寒・低酸素の広大な無人地域が、チルーや野生のヤクなどの希少な野生動物が生息し、独特な生命の奇跡が育まれている。

「具身型AIロボット(身体を持ち自律的に動作できるAI)」を活用して野生動物保護と生態環境管理を支援することは、科学技術のイノベーションが生態文明の建設を支える一つの生きた実践例と言える。中国では、科学技術の発展と生態保護の強化が互いに相乗効果で共に向上しており、こうした実践例は着実に増え続けている。

自然資源に「戸籍」を与える前には、常に「資産調査(現状把握)」と「記録ファイル」の作成が必要であり、これにも科学技術によるサポートが欠かせない。中国航天科技集団第五研究院の研究チームは、衛星リモートセンシング技術などを利用して、「宇宙・空中・地上一体化」の生態モニタリングシステムを構築した。特に森林地、農作物、水資源などの重要指標のモニタリングと評価は「生態公益林」の補償収益や農村の請け負い土地の経営権など、様々な「生態に関わる製品」の価値の実現にデータ支援を提供している。

クリーンエネルギーの開発と利用は、生態保護とグリーン・低炭素発展にとって極めて重要である。中国は科学技術への投資を拡大し、クリーンエネルギーと低炭素技術の発展に取り組んでいる。

先頃、「華竜一号(Hualong One)」原子力発電ユニットに新たな一員が加わる。中国核工業集団・浙江金七門原子力発電「1号機原子炉」建屋のコンクリートの打設が開始された。このプロジェクト全体が完成すると、年間発電量が550億キロワットアワーに達すると見込まれている。

三峡集団(China Three Gorges Corporation)江蘇大豊800メガワット洋上風力発電プロジェクトでは、中国初の気象レーダーを搭載した洋上昇圧ステーションがこのほど設置を完了した。この施設は、海洋気象の精密モニタリングと洋上風力発電所の効率的な運転を連携させ、海洋クリーンエネルギー開発に新たなモデルを提供するものとなった。

工業廃水の効率的処理、石炭のクリーンで効率的な利用、自動車排出ガスの精密監視を支えるデータなど、 グリーン・低炭素発展の道を歩むには、あらゆる場面で科学技術の支えが必要である。クリーンエネルギーの大規模生産拠点として、滔滔たる長江(揚子江、Yangtze River)の水が白鶴灘水力発電所で膨大なグリーン電力に変わる。最近、ここに安全モニタリング自動化システムが導入され、稼働を開始した。このシステムは1万台以上の監視装置を接続し、発電所の変形、浸出流、応力ひずみ、温度などの重要情報をリアルタイムで捕捉し、全プロセスにわたるインテリジェント処理、分析評価、自動警報を実現し、グリーンエンジンを守っている。

新たな質の生産力もまたグリーン生産力である。より多くの科学的知見と先進技術が生態文明建設に応用され、科学技術のイノベーションがグリーン発展に力を与え、より美しい地球の「故郷」を創り出すことが期待されている。(c)People’s Daily /AFPBB News