チョ・ジヌン氏(c)news1
チョ・ジヌン氏(c)news1

【12月14日 KOREA WAVE】韓国俳優チョ・ジヌン氏(2024年12月に少年犯罪歴を公表し引退)が過去の非行歴を明かしたことを受け、韓国では少年犯罪と学校暴力(学暴)への対応の“二重基準”をめぐる議論が広がっている。

韓国政府は2026年度の大学入試から、すべての選考方式で学暴記録の反映を義務化。これに対し、「強盗や性犯罪を犯した少年は進学に影響がないのに、比較的軽微な学暴で大学を諦めねばならないのは不公平」との声が保護者やネットユーザーを中心に噴出している。

2023年に発表された教育省の「学校暴力根絶総合対策」により、学暴の加害生徒に対しては処分記録が最大4年間、学校生活記録簿(内申書)に残される。このため合格取り消しの例も実際に出ている。2023年、韓国芸術総合学校では、社会奉仕処分(第4号)を受けた生徒の合格を取り消した例があった。

一方、少年法による保護処分は“前科”ではなく、進学に影響しない。保護処分は刑事罰ではなく、記録も「非公開」であり、原則として第三者に知られることはない。

この不均衡に対して、オンライン上では「学暴で入試不合格なのに、少年犯罪者は堂々と芸能界デビューできるのか」「保護処分を受けた強盗や性犯罪加害者が、入試で不利益を被らないのはおかしい」「被害者視点に立てば、非行歴も大学に伝えるべきだ」などの意見が相次いでいる。

こうした批判は政界にも波及。国会教育委員会で野党「国民の力」所属のキム・ヨンテ議員は「学暴記録が入試に影響するのに、強盗や強姦などの加害少年が無傷で進学できるのは明らかに不公正だ」と発言した。同じく「国民の力」のソ・ジヨン議員も「学暴は罰し、少年犯罪は放置する制度は常識に反する」と制度の見直しを求めた。

これについて、少年司法に詳しい弁護士や学識者らは「制度に矛盾がある」と一定の理解を示しつつも、少年法の根幹である「更生と社会復帰の支援」という原則がある以上、慎重な制度運用が必要だと指摘する。

元ソウル少年院長で警察行政学を専門とするハン・ヨンソン氏は「少年犯罪まで開示するなら、少年法そのものが形骸化する。学暴記録の大学入試反映こそが問題であり、加害・被害双方が回復し成長できる制度が望ましい」と述べた。また、学校暴力を多く扱うノ・ユンホ弁護士は「同じ行為でも“少年事件”として扱われれば大学進学に影響しないのに、“学暴”として処分されると未来を失う。結果として、学暴処分を回避しようとする訴訟が多発している」と現状を語った。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News