【12月15日 CNS】中国では、地方政府が企業に対して行う検査や取り締まりが、地域ごとに基準が異なったり、手続きが不透明だったりする問題が以前から指摘されてきた。こうした不適切な行政執法は企業の負担となり、ビジネス環境にも悪影響を与えていた。こうした背景のもと、12月5日に開かれた国務院常務会議では、これまで行われてきた企業関連行政執法の是正状況が報告され、「行政執法監督条例(草案)」が審議・承認された。これにより、行政取り締まりの改善が一時的なキャンペーンではなく、長期的で体系的な仕組みづくりへ移行する大きな節目となった。

会議では、今年進められた特別行動の成果が認められつつ、企業の苦情やメディア報道を契機とする個別是正にとどまらず、同じ類型の問題を全国で統一的に扱えるようにする必要性が強調された。行政手続が地域によって異なると、同じ事案でも判断が変わる可能性があり、企業にとっての予測可能性が損なわれる。そこで会議は、個別案件の修正から一歩進んで、共通のルールを整え、同じ種類の案件を全国的に揃えて扱う方向へ改善を進める方針を示した。

今年は各地で企業関連行政執法の問題が集中的に整理され、広西では三月以降の取り組みで2000件を超える問題手がかりが処理され、一部では企業に生じた損失が取り戻されるなど、一定の成果があった。司法部の統計では、全国で5000万件を超える問題が是正され、行政検査の総量が減少する一方、問題を適切に発見する割合が高まっている。これは、検査を減らすこと自体が目的ではなく、不必要な検査は抑え、必要な監督だけを行う方向へ改善が進んでいることを示している。

しかし、手続の不備や、担当者の裁量に左右される執法、さらには不当な要求が絡む事例など、深い部分に根付く問題は依然として残っている。短期間のキャンペーンでは根本的な改善が難しいため、制度の面から整備し直す必要がある。会議では、こうした問題が繰り返されることを防ぐには、監督の仕組みを長期的かつ体系的に作り直すことが不可欠だと指摘された。

今回承認された「行政執法監督条例(草案)」は、まさにそのための法的枠組みとなる。この条例は、行政がどのように監督されるべきか、手続きの流れ、責任の範囲、そして職権乱用や恣意的な取り締まりが行われた際の責任追及を明確にする狙いがある。会議では、行政権力を法の枠内で運用することを改めて強調し、企業に安心感を与えるとともに、行政担当者に対してもルールを徹底するよう強いメッセージを示した。

特別行動から日常的な監督体制へ、個別修正から類似案件の全国的な規範化へ、さらには法制度そのものの整備へと、行政執法の改善は次の段階へ進んだといえる。こうした取り組みは、ビジネス環境を安定させ、市場の予測可能性を高めるために欠かせないものであり、企業にとっても中国で活動する上で安心できる制度づくりにつながる。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News