【12月8日  People’s Daily】花と緑の郷へと足を運び、美しい景色を楽しみ、温泉に浸かる。海南島の保養地の旅で、質の高い医療・ヘルスケアサービスを体験し、専門的な「健康養生ガイド」を入手する。「ヘルスケア旅行」は、健康・ヘルスケアと旅行・滞在を融合させた新しい旅のスタイルだ。近年、中国各地ではその土地の特性を活かして「ヘルスケアツーリズム」などの新業態が発展し、観光客に文化と観光の新しい体験を提供しながら、地域の経済成長のエンジンを創出している。データによると、2025年には中国のヘルスケアの市場規模は9兆5000億元(約209兆3800億円)に達し、健康に関わるサービス業の全体規模は11兆5000億元(約253兆4600億円)を超えると見込まれている。

雨上がりの朝、河南省(Henan)許昌市(Xuchang)鄢陵県の「唐韻康養小镇」は小鳥のさえずりで目覚めた。「この県に、こんな『桃源郷』が隠されているとは思わなかった」、湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)から訪れた観光客の張瑞君(Zhang Ruijun)さんは嬉しそうに語った。友人の薦めで鄢陵を訪れた張さんだったが、「唐韻康養小镇」の美しい景色と古風な趣に深く魅了されたという。「両親もとても気に入ってくれた。もう何日か延泊するつもりだ」と話している。

鄢陵県は歴史が古く、花を咲かせる樹木が豊富なことから「中国花木の郷」と呼ばれている。鄢陵県康養弁公室の責任者・王海俊(Wang Haijun)氏は「鄢陵は平原に位置しているが、この地で森林ヘルスケアが発展できたのは花を咲かせる種類の樹林産業のおかげだ。わが県の樹木栽培の歴史は古く、現在は52万ムー(約3万4667ヘクタール)の花咲く樹木の栽培基地があり、主要な栽培地区の森林被覆率は80%に達し、空気中のマイナスイオン濃度は、世界保健機関(WHO)の定める清浄な空気の基準値を大きく上回っている」と説明する。

この生態的な優位性を、産業の活力にどう転換するか、地元が目を付けたのはヘルスケアツーリズム産業だった。この小镇の責任者・鄭紅偉(Zheng Hongwei)氏は「以前は花や木を売っていたが、今は『健康』を売っている」と話す。鄭氏自身もかつては花卉(かき)、苗木、盆栽の栽培と販売を生業にしていたが、ヘルスケアプロジェクトの運営に転身してから、はや8年になるという。昨年小镇が受け入れた観光客数は延べ50万人を突破している。

樹木栽培に加え、温泉は鄢陵県のもう一つの名物で、温泉をテーマにした観光スポットが数多く開発されている。週末や祝日には省内外から多くの観光客が訪れ、温泉を楽しみ、花や樹木を観賞している。樹木で生態環境を改善し、その生態環境が観光を支え、その観光がヘルスケアをけん引する、こうした好循環により、昨年の同県の森林ヘルスケア産業の生産額は156億1000万元(約3440億4440万円)に達し、県のGDPの38.8%を占めた。

海南省瓊海市(Qionghai)の博鰲鎮にはエメラルドグリーンの海と銀色の砂浜、緑豊かな風景の中に、モダンな病院の建物が整然と並んでいる。「はるばるここに来た甲斐があった。ここのサービスには安心感がある」、河北省(Hebei)秦皇島市(Qinhuangdao)から来た董(Dong)さんは、医療とヘルスケアを組み合わせたツアープランを選択した。董さんは、専任スタッフの案内と合理的なプロセスにより「海南メルサー病院」で非常に順調に健康診断を完了した。病院の顧客サービス部の楊振環(Yang Zhenhuan)マネージャーは「当院では専門家が検査結果を解説し、最初に医療と健康管理のプランを設計する。その後、生活コンシェルジュと栄養管理士が健康管理をフォローアップする仕組みになっている。院内でも院外でも、ワンストップでフルサイクルのヘルスケアサービスが得られる」と説明する。

海や島、山や川に恵まれ、大気質优良率99.3%、年平均気温摂氏24.6度、博鰲鎮は多くの観光客にとって、ヘルスケア旅行の旅先として人気のスポットとなりつつある。今では董さんのように旅行で心身をリラックスさせながら、地元の病院で健康診断や体調管理を行う観光客が増えている。

「博鰲楽城国際医療観光先行区」では、政策的な優位性を活かし、医療技術、設備、医薬品の国際先進水準の「3つの同期化」を実現して、世界最先端で、国内では未承認の医薬品・医療機器や特許食品をいち早く使用することができる。これまでに先行区は470種類以上の世界の先端的な医薬品や医療機器を導入し、区内の36の医療機関は美容医療など7つの専門診療科をカバーし、国内トップクラスの公立病院が中核となり、数多くの国際的・国内的なブランド専門病院が特色を発揮する「医療産業構造」が形成されている。
先行区を訪れて特色ある医療を体験することは、ヘルスケア旅行で訪れる観光客の必須プログラムとなりつつある。

医療と健康管理を組み合わせたヘルスケア旅行プランは、海外の観光客からも好評だ。ロシアやスペインなどからの観光客が団体で訪れ、健康管理やアンチエイジングケアなどのサービスを体験し、その効率的な治療プロセスを高く評価している。便利になったビザ免除入境政策の恩恵を受け、インドネシアの国際医療ツーリズムの団体も来訪し、現地の特色ある美食を味わい、温泉療養を体験するほか、団員たちは眼科Bモードエコー検査を受け、各種疾病のスクリーニング検査も行った。データによると、今年第1四半期、先行区の医療機関が受け入れた医療ツーリズム客は延べ11万1500人回に上り、前年同期比29.8%増加した。また、特許医薬品・医療機器の利用は延べ1万6000人に上り、前年同期比44.14%の増加となった。(c)People’s Daily /AFPBB News