【12月5日 CGTN Japanese】中国科学院(中国科学アカデミー)分子植物科学卓越革新センターによると、同センターの林鴻宣院士(アカデミー会員)のチームは、上海交通大学の林尤舜研究員のチームおよび広州国家実験室の李亦学研究員のチームとの最新の共同研究で、植物中で順次活性化されて協調して連動する熱信号感知メカニズムを明らかにしました。さらに、このメカニズムに基づく遺伝改良を施すことで、温度勾配に応じた耐熱性を備えた水稲の新たな品種系統の育成に成功したことで、作物に高温耐性を持たせる分子レベルの育種を支援して、地球温暖化による食糧の減産に対応するための新たな解決策を提供しました。関連する研究成果は北京時間2025年12月3日、国際学術誌の「セル」に掲載されました。

このメカニズムの解明は育種に正確な標的を提供しました。単一遺伝子改良株は高温下で対照組より50%~60%増産し、2遺伝子改良株は約2倍の増産で、正常な条件下での収量には悪影響が出ませんでした。研究者は作物の耐熱性を改良するだけでなく、さらに「段階的に熱に強くなる品種」を精密に設計することを可能にしました。このことで、さまざまな地域の異なる気候条件に適応する品種を育成し、その他の主要食糧作物の耐熱育種にも役立つ着実な理論根拠と貴重な遺伝子資源の提供が可能となりました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News