【12月3日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2日、ウクライナ侵攻を巡る和平案について、モスクワを訪問したスティーブ・ウィトコフ米特使と協議した。

ロシア大統領補佐官のユーリ・ウシャコフ氏は記者団に対して「会談は非常に有益で建設的だったが、多くの課題が残っている」と語り、「まだ妥協を見いだせていない」と述べた。

ロシア大統領府(クレムリン)で行われた会談にはドナルド・トランプ米大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏も参加。会議の冒頭、プーチン氏は「お会いできてうれしい」と語った。

直前に行われた記者会見で、プーチン氏は欧州が和平案を修正することで合意を妨害していると非難し、「我々はヨーロッパと戦争をするつもりはないが、もしヨーロッパが望み、始めるならば、我々は今すぐにでも準備ができている」と語った。

「唯一の目的は、和平プロセス全体を完全に妨害し、ロシアにとって絶対に受け入れられない要求を突きつけることだ」と述べ、協議決裂の責任をロシアに押しつける狙いだと主張した。

米国は先月、ウクライナに大幅な譲歩を迫る内容とされる和平案を示したのに対し、ウクライナと欧州が修正を求めて協議を重ねた。

一方、プーチン氏は、制圧したとされる東部ウクライナの要衝ポクロフスクについて「特別軍事作戦の開始時に設定されたすべての任務を解決するための良い足場だ」と述べた。

トランプ氏はホワイトハウスでモスクワでの協議に言及し、特使らが「解決できるか見定めているが、簡単な状況ではない」と述べた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も2日、「簡単な解決策はない」とSNSに投稿し「重要なのは、すべてが公正で透明であることだ。ウクライナの背後でゲームが行われないこと。ウクライナ抜きで何も決定されないことだ」と述べた。

ウクライナの高官はAFPに対し、ウィトコフ氏は早ければ3日にブリュッセルでウクライナ代表団と会談する可能性があると語った。(c)AFP