香港の火災調査要求の男性、拘束報道後に警察署から解放か
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【12月1日 AFP】<更新>香港で先週起きた高層集合住宅の大規模火災で、事故の独立調査を求めてビラを配り、当局に拘束されたと報じられた男性が1日、警察署を後にした。
拘束されたと報じられていたマイルズ・クワン氏(24)は、1日午後、長沙湾の警察署をタクシーで出たと、現場にいたAFP記者が伝えた。
クワン氏は警察署を出る際、タクシーの中でマスクを下げて記者らにうなずいたが、コメントはしなかった。
クワン氏は、1980年以降で世界で最も多くの死者を出した住宅火災をめぐる署名活動に関わった住民の一人だった。
オンライン署名では、政府関係者の責任追及、汚職の可能性に関する独立調査、住民の適切な再定住、建設監督の見直しを求めていた。
しかし地元メディアは11月29日、クワン氏が扇動の疑いで香港国家安全部に身柄を拘束されたと、匿名の情報源を引用して報じた。
また30日夜には複数のニュースメディアが、ケネス・チョン元区議を含む2人が新たに拘束されたと報じた。
3人の拘束について警察は「実際の状況に応じて、法律に基づいて行動する」とのみ述べ、拘束の事実については確認しなかった。
拘束が報じられる前日、クワン氏は自身の行動について「非常に基本的な要求をしているだけだ」と述べ、「もしこれらの考えが扇動的だとか『一線を越えている』と見なされるなら、もう何が起こるか予測できないと感じるし、自分が本当に信じることをするしかない」とAFPに語っていた。
一方、香港治安局のクリス・タン局長は1日、大規模火災の発生に関連し、扇動容疑での逮捕が行われたと報じられたことについて、国家安全を守るため「法執行措置」を講じたと明らかにした。
タン局長は、オンライン上で「国家安全を脅かすことのみを目的とした不正確なコメント」が拡散していたとし、「法執行措置を含む適切な対応が必要だった。詳細は国家安全に関わるため開示できない」と記者会見で述べた。
香港の警察当局は、火災に関連してこれまでに13人を逮捕しており、過失致死容疑でも捜査を進めている。(c)AFP