2025年11月、虐待に脆弱な児童・高齢者・重度障害者を保護するための法案発議に関する記者会見を開く国民の力議員ら(c)news1
2025年11月、虐待に脆弱な児童・高齢者・重度障害者を保護するための法案発議に関する記者会見を開く国民の力議員ら(c)news1

【11月30日 KOREA WAVE】障害児や高齢者ら、自らの意思で被害を訴えることが難しい人への虐待が疑われる場合、第3者による会話の録音を合法化する改正法案が韓国国会に提出され、教育界と保護者団体の間で激しい対立を引き起こしている。

問題となっているのは、野党「国民の力」のキム・イェジ議員が発議した児童虐待処罰法、老人福祉法、障害者福祉法、通信秘密保護法の改正案。そこでは「虐待が疑われる場合」に限り、当事者ではない第3者が録音をすることを認める内容が盛り込まれている。

教育界の最大団体である韓国教員団体総連合会はこの法案の撤回を求め、11月26日から1人デモを開始。教師の会話が常時録音されるようになれば、授業や相談、指導の場面で必要な教育的措置が制限され、さらには教師のプライバシーまで侵害されると主張する。

実際、教育現場では虚偽通報や教員への不当な告発が繰り返されており、教権の低下が深刻化している。2024年には教員に対する権利侵害が4234件報告されており、録音が可能になれば、教員が容易に加害者とされかねないという不安もある。

一方で、障害児をもつ保護者らは録音がなければ子どもを守る手段がないと訴える。特に発語や意思表示が難しい子どもたちの場合、虐待を自ら訴えることができず、録音は彼らの基本的人権を守るための「最小限の安全装置」だと主張する。

保護者団体「全国障害児親の連帯」は「障害児に対する虐待は隠蔽されやすく、目撃者や関係者が沈黙すれば被害が継続してしまう」とした上で、「第3者録音は公的な利益に基づくものであり、児童の人権保護と虐待防止のために不可欠だ」と述べた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News