スウェーデン、シリア人犯罪者の送還で暫定政権と協力 援助と自国民引き取りの紐付けも
このニュースをシェア
【11月28日 AFP】スウェーデンのヨハン・フォシェル移民相は27日、スウェーデンで犯罪を犯し有罪判決を受けたシリア人犯罪者の強制送還拡大に向け、シリア暫定政権と協力する意向を示し、自国民犯罪者などの受け入れが支援の条件だと述べた。
フォシェル氏は公共放送スウェーデン・ラジオに対し、「これらのシリア人はスウェーデンに滞在中に犯罪を犯しており、強制送還されるべきだが、さまざまな理由から送還が非常に困難な場合がある」と述べた。
フォシェル氏とベンヤミン・ドゥーサ国際開発協力・貿易相は今週、シリアを訪問し、アハマド・シャラア暫定大統領と会談した。スウェーデンの閣僚によるシリア訪問は、2011年以来初めて。
2015年にシリア人を中心とする難民がスウェーデンに大量流入したことを受けて、歴代政権は左派・右派を問わず移民(在留外国人)・難民の受け入れ条件を厳格化してきた。
フォシェル氏は、「スウェーデンにとって多くの重要な優先事項の一つであるこの件について、協力することで合意した」と説明。
「スウェーデンに到着した人々の大多数は誠実で法を順守する人々だが、犯罪を犯した者もいる」「こうした犯罪者を強制送還できるようにしなければならない。スウェーデンに彼らの居場所はない」と付け加えた。
また、スウェーデン政府が移民の削減と国外追放の加速の一環として、開発援助に関する新たな原則を採用したことにも言及。
「スウェーデンが開発援助を提供する際、援助受け取り国がわれわれ協力し、自国民を引き取ることも期待している」「特に、スウェーデンで犯罪を犯した犯罪者を引き取ることを期待している。引き取らなければ、開発援助はしない」と強調した。
反移民を掲げるスウェーデン民主党の閣外協力を受ける中道右派連立政権は、移民への強硬姿勢を公約に掲げ、2022年に発足した。
フォシェル氏によると、犯罪者以外のシリア人の送還についても、シャラア氏と協議したという。
スウェーデンは、帰国を希望するシリア人に対し、渡航費などの諸費用を支援している。
スウェーデン外務省は現在、シリアへの渡航を控えるよう勧告している。
スウェーデン統計局によると、2014~2018年、スウェーデンに流入する移民で最も多いのはシリア人だった。(c)AFP