37年間拘束された死刑囚が獄中死、天寿全う 米
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【11月28日 AFP】米ユタ州で37年間拘束された死刑囚が、獄中で死亡した。自然死とみられる。矯正当局が発表した。
ラルフ・リロイ・メンジーズ死刑囚(67)は、1986年に3児の母親を拉致・殺害。死刑判決を受けていた。
今年9月に銃殺刑を執行される予定だったが、弁護人がメンジーズ死刑囚の認知症が重度化していると主張して執行の差し止めを求め、ユタ州最高裁判所がそれを認めた。
ユタ州矯正局は声明で、「ラルフ・L・メンジーズ死刑囚が26日、地元の病院で死去した。自然死とみられる」と発表した。
裁判官は、メンジーズ死刑囚の精神状態を再評価するため、12月中旬に新たな審問を開く予定だった。
メンジーズ氏の弁護人リンジー・レイヤー氏は今夏、「裁判所と恩赦委員会が、急激な認知機能の低下と重大な記憶障害に陥っている男性を処刑することが極めて非人道的な行為だと認識してくれることを期待している」「もはや誰にも脅威を与えず、認知症によって精神とアイデンティティーをむしばまれている末期の病を抱えた人の命を奪うことは、正義にも人としての良識にも反する」と述べた。
メンジーズ死刑囚は数十年前、死刑の執行方法として銃殺を選択。1977年以降、銃殺刑に処される7人目の米国人死刑囚となるはずだった。(c)AFP