【12月6日  People’s Daily】2025年は、中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年であり、国際連合創設80周年に当たる。この歴史的な座標点に立ち、第二次世界大戦の痛ましい教訓と世界反ファシズム戦争の偉大な勝利を振り返るのは、単に歴史を記憶し、正確な第二次大戦史観を弘揚するためだけではなく、そこから英知と力を汲み取り、人類の平和と発展の素晴らしい未来を共に創造するためでもある。

エンゲルスはかつて、「歴史こそが我々の全てである」と述べた。歴史の真実性は正義の基盤である。第二次世界大戦の勝利の成果を守り、戦後の国際秩序を維持することは、本質的には人類共通の正義と良心を擁護することである。

世界反ファシズム戦争は、国境、人種、イデオロギーの違いを超えた世界的な闘争であった。中国の抗日民族統一戦線における「四億の民が一丸となり、心を一つにして同じ軍服を着る」という闘争宣言から、26の反ファシズム国家が「今まさに世界を征服しようとする野蛮で残虐な勢力と共同で闘争していること」を確信し、最も広範な「国際反ファシズム同盟」を結成するに至るまで、世界中の正義の力が団結し協力して、巨大な犠牲を払って人類の平和事業を守り抜いたのだ。

中国は東方の主戦場として、1931年に「世界反ファシズム戦争」の第一弾を放った。14年にわたる血みどろの戦い、3500万人を超える軍民の犠牲により、日本軍国主義の主力部隊を拘束し消耗させた。中国は「世界反ファシズム戦争」の最終勝利に消えることのない貢献を果たしたのだ。

第二次大戦の勝利は国際連合を生み出した。中国は反ファシズム同盟の主要なメンバーと共に国連設立を協議し、「国連憲章」を共同で策定した。国連を中核とする国際システムは、第二次大戦勝利の成果の集大成であり、戦後世界の全体的な平和を保障し、世界の開発と進歩を推し進めてきたものだ。世界反ファシズム戦争の勝利は、人類の正義の力による偉大な勝利であり、光が必ず闇を打ち払い、正義が最終的に邪悪に勝利することを明確に示している。

しかし、80年が経った今も、歴史虚無主義や歴史修正主義が時折頭をもたげ、誤った歴史観によって是非の基準を曖昧にし、正義と良心に挑戦し、戦後の国際秩序の基盤を蝕み、世界平和にとっての現実的な脅威となっている。日本では、侵略の歴史を否定する逆流が絶えず渦巻いている。戦犯を靖国神社に祀り、軍国主義の魂を呼び戻そうとしたり、歴史の教科書を改ざんして、南京大虐殺や、いわゆる「慰安婦」強制連行などの動かぬ証拠のある犯罪を否認したりする。「戦争被害者」という物語を捏造し、侵略を「アジアの解放」と歪曲して、戦争の正当化を図ろうとする。このような日本側の侵略の罪責の否認、歴史の真実を歪曲する一連の誤った行いは、被害国の人びとの感情を深く傷つけている。

近年、戦後の国際秩序に挑戦する勢力が蠢動し始めている。特定の国が覇権主義、単独行動主義を奉じ、国連を中核とする戦後の国際秩序を恣意的に損ない、「国連憲章」によって確立された国際関係の基本原則を踏みにじり、世界の経済貿易秩序をかき乱している。このような行為は、歴史に対する無知と軽視であり、世界と人類の共通の未来に対する無責任である。

歴史は改ざんを許さず、真実は冒涜を許さない。誤った第二次大戦史観は人類文明への背信であり、人類進歩の妨げである。英国の新聞「ガーディアン(Guardian)」が指摘するように、人類は最も暗黒の歴史から教訓を汲み取るべきであり、このような行為がまん延するに任せれば、人類は過ちを繰り返す恐れがある。歴史は我々に示している。歴史の松明(たいまつ)を高く掲げ、正しい第二次大戦史観を強固に築き、歴史の正義を断固として守り抜くことこそが、未来への道を照らす唯一の方法である。

第二次世界大戦の勝利は人類の正義の勝利であり、その成果は今もなお世界を導き続けている。第二次大戦の主要な戦勝国であり国連創設メンバー国である中国は、常に正しい第二次大戦史観の擁護者、現行の国際秩序の維持者、真の多国間主義の実践者であり続けてきた。中国は各国と手を携え、歴史から英知と力を汲み取り「人類運命共同体」の構築を推し進め、人類のより美しい未来を切り開いていくことを目指している。(c)People’s Daily /AFPBB News