【11月27日 AFP】米食品大手ザ・キャンベルズ・カンパニーの幹部が同社のスープに「3Dプリンターで作られた」鶏肉が使われていて、「貧乏人」が食べていると主張したことについて、同社は「ばかげている」と否定した。

問題の発言をしたとされるのは、マーティン・バリー部長兼最高情報セキュリティー責任者(CISO)。本件に関する調査が終了するまで休職となっている。

従業員のロバート・ガルザ氏が、問題の発言をひそかに録音し、後にミシガン州の地元メディアに提供した。

ガルザ氏は、問題発言について会社に報告したために解雇されたと主張。訴訟を起こし、バリー氏が1時間にわたる暴言の中で、人種差別的な発言をした上、キャンベル製品をおとしめたと主張している。

録音では、バリー氏とされる人物が、キャンベル製品を「超加工食品」と呼び、「貧乏人向けのクソだ」とばかにしている。

バリー氏は「バイオ工学肉(培養肉)、3Dプリンターで作られた鶏肉なんて食べたくない」とも述べたとされる。

ガルザ氏によると、バリー氏はさらに、インド人従業員たちを「大ばか者」と呼び、こんな連中と一緒に働くことがどれほど嫌かを強調したとされる。

キャンベルブランドは米国内外で象徴的な地位を誇っており、米国のポップアートを代表する巨匠アンディ・ウォーホルの代名詞とも言える美術作品群の題材となったスープ缶のシリーズで最もよく知られている。

キャンベルは声明で、トウモロコシや大豆などの遺伝子組み換え作物を使用していることは認める一方、鶏肉については「長年信頼されてきた」連邦政府の認定を受けているサプライヤー(供給業者)から仕入れており、「当社の高い品質基準を満たしている」と述べた。

さらに、「当社の食品に関する録音されたコメントは不正確であるだけでなく、ばかげている」「当社のスープは、培養鶏肉も、いかなる形態の人工肉、培養肉も使用していない。当社は、製造する食品と、使用する高品質の材料に誇りを持っている」と述べた。(c)AFP