「内乱を防がず」韓国前首相に懲役15年求刑…「苦しみを死ぬまで背負う」
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【11月27日 KOREA WAVE】韓国の内乱特別検察チームは、2024年12月の「非常戒厳」発令を止めなかったとして内乱首謀者幇助などの罪に問われたハン・ドクス(韓悳洙)前首相に対し、懲役15年を求刑した。判決は2026年1月21日に言い渡される。ユン・ソンニョル(尹錫悦)前政権で起訴された国務委員(閣僚)の中では最初の判決となる。
ソウル中央地裁で11月26日に開かれた論告求刑公判で、特別検察は「ハン・ドクス氏は行政のナンバー2として、内乱を止め得る唯一の立場にあったにもかかわらず、国民に対する奉仕の義務を放棄し、戒厳令の前後にわたって内乱に加担した」と指摘。「これは韓国民主主義に対するテロであり、国家と国民全体が被害者だ」と断じ、厳罰を求めた。
これに対し、ハン・ドクス氏は最終弁論で「昨年12月の戒厳令発令によって国民が受けた苦しみに深く謝罪する」と述べ、「その夜、大統領が戒厳令を発すると言った瞬間、言葉にならない衝撃を受けた。どうにか阻止しようとしたが力が及ばなかった」と述懐。「私はその苦しみを死ぬ日まで背負って生きていく」と沈痛な表情で語った。
ただ、ハン・ドクス氏は「非常戒厳を止められなかったが、賛成したり支援した事実はない」と強調し、「それがこの歴史的な法廷で述べられる、最も正直な告白だ」と述べた。
弁護側は、ハン・ドクス氏がユン・ソンニョル氏の戒厳令発令に反対する意思を示し、「経済や対外的信用が崩壊する」などの言葉で思いとどまるよう促したと主張。ただ、明確な反対の言葉を使わなかった点については「痛恨であり、反省している」と述べた。
また、非常戒厳前に国務会議(閣議)の定足数を揃えて形式的な正当性を装ったことや、国会の戒厳解除決議後に国務会議の開催を遅らせた事実については否定した。憲法裁判所で「戒厳令文書を認識していなかった」と偽証したことについては認めた。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News