イスラエル、ヨルダン川西岸で古代遺跡近くの土地収用
このニュースをシェア
【11月25日 AFP】イスラエルの文化財保護を専門とするNGO「エメク・シャベ」は24日、占領下のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸にあるセバスティア古代遺跡付近にあるパレスチナ人私有地約2平方キロを収用するイスラエルの決定を非難した。
エメク・シャベは声明で、「この収用により農地へのアクセスが著しく制限され、樹齢数百年のものを含むオリーブの木約300本が失われる可能性があると住民から報告されている」と述べた。
イスラエル国防省傘下の「占領地政府活動調整官組織(COGAT)」は11月12日、パレスチナ人の村セバスティアに属する区画など複数の土地を収用する意向を通知。収用の目的は「遺跡の保全と開発」としている。
エメク・シャベによると、セバスティアは鉄器時代にさかのぼる考古学遺跡で、イスラエルは2023年に関心を示し始めた。当初は遺跡だけ、その後遺跡を構成する丘の頂上部分と収用範囲を拡大しているという。
遺跡自体は、1990年のオスロ合意でイスラエルの完全支配下となったC地区に位置している。
隣接するセバスティア村は遺跡観光で発展してきたが、新たな開発計画(イスラエルの道路建設、遺跡周囲へのフェンス設置、入場料徴収など)によって、産業を脅かされることになる。
ヨルダン川西岸での入植活動を監視するイスラエルのNGO「ピース・ナウ」jは今回の土地収用について、考古学調査目的で行われたものとしては過去最大規模だと述べた。
イスラエルは1967年にヨルダン川西岸を占領して以来、遺跡開発のための土地接収を5回実施しているという。
ピース・ナウは声明で、「いずれの場合も、収用は公式には公共目的とされていたが、実際には遺跡からパレスチナ人が排除される結果となった」と指摘。セバスティア遺跡の開発計画も同様で、主にイスラエル人にとってのアクセスを容易にする一方、地元のパレスチナ人のアクセスを遮断するものだと述べた。(c)AFP