【11月24日 AFP】大相撲九州場所で優勝を遂げた関脇安青錦(21)(本名ダニーロ・ヤブグシシン)は24日、ウクライナ出身力士として初となる賜杯獲得に自分自身も驚いたと明かした。

ロシアによるウクライナ侵攻を受けて相撲ができる環境を求め来日した安青錦は、初土俵から14場所目で優勝を果たし、大関昇進が見込まれている。

安青錦はこの日、福岡で記者団に対し、「正直、優勝したいという気持ちはあったけれど、優勝できるとはあまり思っていなかったので、すごくうれしかった」と語った。

14日目に横綱豊昇龍に勝って優勝争いに望みをつなぐと、千秋楽は本割で大関琴桜に勝ち12勝3敗。優勝決定戦では再び豊昇龍に勝利した。

ウクライナ中部に生まれた安青錦は7歳で相撲を始め、17歳で国内チャンピオンとなった。

年齢の関係で、ロシアの侵攻後に18歳以上の男性に課された徴兵をぎりぎりで免れ、ドイツに避難した後、日本へ移った。

両親はドイツに残ったものの、安青錦は日本語が分からないまま来日した。

優勝後には両親と話をし、ウクライナの友人たちからも多くのメッセージを受け取ったという。

「たくさん届いているけれど、まだ全部には返事できていない。時間はかかるけれど、一つずつ返していくつもり」と語った。(c)AFP