米和平案、ウクライナはルクセンブルクに相当する面積を割譲
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【11月22日 AFP】米シンクタンク「戦争研究所(ISW)」のデータをAFPが分析したところ、ドナルド・トランプ米政権のウクライナ和平案で、ロシアは戦うことなくルクセンブルク(約2590平方キロ)に相当する面積の領土を獲得する可能性がある。
AFPが確認した和平案は、ウクライナ軍が今も保持している地域から撤退することを求めており、これによりロシア側は一発の銃弾も発射することなく領土を約2300平方キロ増やすことになる。
ウクライナ側は、今も保持しているドネツク州の領土約5000平方キロ(緩衝地帯に充てられる)と、ルハンスク州の領土45平方キロを放棄することになる。
放棄する領土には、主要都市のクラマトルスクと隣接するスラビャンスクも含まれている。
引き換えに、ロシア側は、完全または部分的に支配しているウクライナ領土の一部を返還する。その面積はハルキウ州で約2000平方キロ、ドニプロペトロウシク州で450平方キロ、スムイ州で300平方キロ、チェルニヒウ州で20平方キロに上る。
ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島と東部ドンバス地域(ドネツク、ルハンスク両州)を「事実上の」ロシア領として承認。ヘルソン州とザポリージャ州のロシア支配地域もロシア側に割譲される。
最終的に、ウクライナは領土の0.5%未満を取り戻すために20%を事実上放棄することになる。
クリティカル・スレット・プロジェクト(CTP)と連携するISWのデータによると、この計算は、11月20日時点でロシアが完全または部分的に支配している地域と、ロシアがそう主張している地域に基づいている。
ロシア軍は11月、これまでにウクライナ領398平方キロを制圧しており、9月と10月より進撃を加速させている。
11月20日までに、ウクライナ領の19.3%を完全または部分的に制圧した。
クリミア半島とドンバス地域の一部を含む約7%は、2022年2月の全面侵攻開始以前からロシアの支配下にある。(c)AFP
