欧州議会売店の「カルボナーラソース」にイタリア農相激怒「見るに堪えない」
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【11月22日 AFP】ベルギー・ブリュッセルにある欧州議会の売店で販売されている瓶詰め「カルボナーラソース」に対し、イタリアのフランチェスコ・ロッロブリージダ農業・食料・森林政策相が適切な材料を使っていないと批判したことで、イタリアで騒動となっている。
ロッロブリージダ氏は今週、問題の瓶詰め「カルボナーラソース」の写真をフェイスブックに投稿し、ソースの材料にグアンチャーレ(豚ほほ肉の塩漬け)ではなくパンチェッタ(豚バラ肉の塩漬け)が使われていることに怒りを爆発させた。食にこだわるイタリアでは禁忌とされる行為だからだ。
ロッロブリージダ氏は、これは本物とはほとんど関係がないにもかかわらず、「イタリアン」を装っている商品の一例にすぎないと主張。「欧州議会の売店にこのようなものが陳列されいるのは見るに堪えない。直ちに調査を開始するよう要請した」と述べた。
この論争は、イタリアのジョルジャ・メローニ首相率いる極右政党「イタリアの同胞」の議員によってさらにあおられた。
カルロ・フィダンツァ議員は、「イタリア要素のかけらもないのに、イタリアを連想させる名前やイタリアの国旗を使った製品」を激しく非難。欧州議会議長に抗議の手紙を送ったと述べた。
だがこの騒動は、このソースを販売するベルギーのスーパーマーケットチェーン「デレーズ」にとっては寝耳に水だった。
デレーズの広報はAFPに対し、「デレーズブランドのあるパスタソースに対する反応とメディアの注目には、少々驚いている」と述べた。
続けて「(問題になっているパスタソースの)名称とパッケージはいずれも現行法に完全に準拠している」と説明。
イタリアのサプライヤー(供給業者)の施設は当局の「正式な検査」を受けており、違反は見つかっていないと付け加えた。
「したがって、これらの製品とそのパッケージを変更する理由は全く見当たらない。在庫は引き続き店頭で販売する」と述べた。(c)AFP