【11月22日 AFP】カナダ西部ブリティッシュコロンビア州ベラクーラ地域で20日、校外学習中の児童と引率の教師約20人のグループが森から現れたハイイログマ(グリズリー)に襲われ、4人が重傷を負った。うち2人は重体だという。問題のクマの捜索が行われている。

4人は21日の時点でも入院している。

襲われたのは、ヌクサルク・ファースト・ネーションにあるアクサルクタ学校に通う9~10歳の児童。

ブリティッシュコロンビア州自然保護官サービスのケビン・バンダム氏は記者団に対し、教師たちが「体を張って児童たちを守り」クマ撃退スプレーを使ってクマを撃退したと述べた。

「私の34年間の経験の中で、これほど大人数の集団がこのような形でクマに襲われるのは初めてだ」と述べた。

州保健当局は声明で、4人が重傷を負い、うち2人は「重体」だと述べた。

当局は、家族からプライバシー保護の要請があったとして、4人の年齢を明らかにしていない。

州当局によると、他に7人が負傷したが、入院する必要はなかったという。

同州のタマラ・デイビッドソン環境相は、自然保護官らが現場で襲撃したクマを捜索していると述べた。

バンダム氏は、「クマは冬眠するために十分な脂肪を蓄えようとしている」と述べ、ベラクーラ地域でハイイログマの出没報告が増えていると述べた。

ベラクーラ地域には多くのハイイログマが生息しているが、すべての個体が攻撃的になっていると結論付けるのは危険だと警告。

「1頭が衝突を増やす可能性はあるが、必ずしも集団全体に当てはまるわけではない」と付け加えた。

バンダム氏は、ベラクーラ地域に負傷したクマがいると報道内容を認める一方、「そのクマが今回児童らを襲撃した個体かどうかは分からない」と述べた。地元では、負傷したクマが児童らを襲った個体なのではないかとの臆測が広がっている。(c)AFP