北朝鮮、次期5カ年計画の重点に「保健・医療」…党大会で方向性示すか
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【11月21日 KOREA WAVE】北朝鮮が来年開催予定の朝鮮労働党第9回大会を契機に発表する新たな5カ年計画で、「保健・医療」分野を民生政策の重点事業として掲げる可能性が高いとする分析が11月15日、韓国の国策研究機関から示された。
国家安保戦略研究院南北関係研究室のイム・スジン研究委員は「最近の北朝鮮による保健・医療強調の動きに見る民生政策ロードマップ」という報告書を発表。その中で「保健・医療関連の報道が急増しているのは、都市と農村の格差を解消するための次期民生政策の中核として保健インフラ整備を推進する意図がある」と分析した。
報告書によると、党機関紙「労働新聞」における「平壌総合病院」の言及数は、2023年には1度も登場しなかったが、2024年は10月までにすでに38回取り上げられている。
また、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記は2025年2月、「2025年を保健革命の元年とする」と宣言。平壌のみならず地方の市・郡にも近代的な保健施設を建設し、全国的な医療インフラの拡充を図る方針を示していた。
これまでに建設計画や実施が公表された医療施設は▽平壌総合病院▽平安北道亀城市病院▽江東郡病院――の3カ所。これらは、2023年から実施中の「地方発展20×10政策」の一環として推進されており、当初の工場や農村住宅に加えて、保健施設・複合文化センター・穀物管理施設が「3大必須対象建設」として追加された。
イム・スジン氏はさらに、北朝鮮が中国やロシアのみならず国際機関との保健協力再開を模索している兆候にも注目すべきだと指摘。国連児童基金(ユニセフ)や世界保健機関(WHO)は、11月中にも北朝鮮に保健関連の国際スタッフを派遣予定とされている。新型コロナ流行以降、実に5年ぶりの動きとなる。
また、ロシアのミハイル・ムラシュコ保健相は11月、平壌を訪問し、北朝鮮のチョン・ムリム保健相と医療協力拡大協定を締結。平壌総合病院の視察や、現地製薬会社関係者とも面会したという。
イム・スジン氏は「真の意味での保健レベル向上には、単なる病院建設だけでなく、医療機器や医薬品の近代化、医療人材の質的向上が必要だ。北朝鮮にとって外部からの医療機器や人材の導入は不可避な課題」と指摘する。
さらに、キム総書記が今年頻繁に病院や建設現場を視察している点については、内外に対して国家指導部が保健医療を重視しているというメッセージを送る狙いがあると分析。「外部の人的・物的資源の必要性を暗に訴えている可能性もある」と述べた。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News