【11月20日 AFP】ナイジェリアの治安部隊は19日、同国西部で拉致された女子生徒24人の捜索を続けている。一方国内では18日に、武装集団が礼拝中の教会を襲撃し、2人が死亡する事件も発生した。

武装勢力は16日から17日にかけての夜間に西部ケビ州の中等学校から女子生徒25人を拉致。当局によると生徒1人が逃げ延びたものの、副校長が殺害されたという。ケビ州警察によると、拉致された女子生徒は全員イスラム教徒だったという。

同じく西部クワラ州の教会では18日、礼拝中に2人が殺害され、1人が負傷した。礼拝は録画されてオンライン配信されており、襲撃の様子も残っていた。

映像には、礼拝が銃声で中断され、外で子どもたちが悲鳴を上げる様子が映っていた。武装した男が礼拝者を追いかけ、他の人物たちが礼拝者の所持品を奪っている様子も記録されていた。

女子生徒と教会襲撃の両事件を前に、今月初めに米国のドナルド・トランプ大統領はキリスト教徒がナイジェリアで「存亡の危機に直面している」と述べ、軍事介入を示唆していた。ナイジェリア政府は、この見解を否定している。

モハメド・イドリス情報相は暴力行為への対応として、ボラ・ティヌブ大統領が「国家の治安部隊をこれまでで最も高い警戒レベルに引き上げ、テロリスト、山賊、犯罪者を国内のどこにいようとも追跡し、排除するよう命じた」と述べた。

カシム・シェティマ副大統領はケビ州を訪れて被害者家族と面会し、地元当局と治安対応の調整を行った。シェティマ氏は「あらゆる手段を使って少女たちを連れ戻し、この悪行の加害者に法の裁きを受けさせる」と述べている。

ナイジェリアでは、キリスト教徒とイスラム教徒の双方が無差別に殺害されるジハード(聖戦)主義勢力による反乱など、複数の紛争が続いている。

米国の保守派は、ナイジェリアでの暴力を「キリスト教徒が標的にされている」とする主張に利用している。(c)AFP