【11月21日 CGTN Japanese】中国の研究チームはこのほど、「嫦娥6号」探査機が月の裏側の南極エイトケン盆地から採取した岩石などの月のサンプルを分析した結果、巨大衝突の原因となるマイクロメートルレベルの赤鉄鉱(ヘマタイト,α Fe₂O₃)と磁赤鉄鉱(γ Fe₂O₃)の微小結晶を初めて確認しました。これにより、まったく新しい月面の酸化反応メカニズムが明らかになり、南極エイトケン盆地の磁気異常が衝突により引き起こされたという実証的証拠が得られました。この研究成果をまとめた論文は既に国際学術誌『Science Advances(サイエンス・アドバンス)』に掲載されました。

この研究により、ヘマタイトの形成が月の歴史における巨大衝突と密接に関連している可能性があることが判明しました。巨大衝突により瞬間的に高酸素逸度の気相環境が生じると同時に、その環境下で鉄元素が酸化され、トロイライトが脱硫反応を起こします。その後、気相沈積を経てマイクロメートルレベルの結晶質のヘマタイト粒子が形成されます。注目すべきは、この脱硫反応の中間生成物として磁性を持つ赤鉄鉱と磁赤鉄鉱が生成され、それが南極エイトケン盆地の磁気異常の原因の一つと考えられるという点です。

「嫦娥6号」が着陸した南極エイトケン盆地は、岩石質の太陽系の天体において最大かつ最古の衝突盆地として知られており、その形成時の衝突の規模は月の他の区域をはるかに上回り、特殊な地質を形成するプロセスを探る上で独特な場を提供しています。「嫦娥6号」は2024年に南極エイトケン盆地からの月のサンプルの採取に成功していました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News