【11月25日  People’s Daily】 正午過ぎ、10人余りの高齢者が飛行機で雲南省(Yunnan)の昆明長水空港(Kunming Changshui International Airport)に到着し、昆明市(Kunming)~建水県での8日間のリゾート生活が始まった。

「このルートは昨年10月から企画し始めた。これまで十数バージョンを作り、我々自身がコース全体を2回にわたり実際に歩いて確認した」、北京健康養老集団リゾート旅行部門の責任者・高寅(Gao Yin)氏はこのように説明した。高齢者の体調を考慮し、旅程はできるだけ山登りを避け、歩行を少なくしているという。例えば、九郷鍾乳洞の観光では、全行程5キロの歩行が必要だったが、一部区間を船に変更したことで、歩行は2キロに抑えられた。

「旅程全体がゆっくりしていて昼寝の時間もある。高齢者に特に適している」、北京に住む68歳の賈元祥(Jia Yuanxiang)さんは実感を込めてこう話す。定年退職後、彼は各地へ旅行することを楽しんできた。年齢を重ねるにつれ、一般のグループツアーは多少負担に感じるようになったが、養老リゾート旅行の体験は全く異なると感じている。

高寅氏は「参加者は平均68歳で老齢者が多いので、全行程に随行員を配置している。医療スタッフも用意して、様々な突発状況に対処できるようにした」と説明する。

中国社会の高齢化が進む中、養老リゾート旅行は多くの高齢者の選択肢となっている。中国各地では、地域の実情に応じてヘルスケア旅行などの新業態を発展させ、養老リゾート旅行の目的地づくりを推進している。

乳白色のモダンな家具、優雅な花柄の壁紙など「昆明聖愛康養園」にある彭碧君(Peng Bijun)さんの「我が家」は、温かみと快適さに満ちている。89歳の彭さんは北京からここに来てほぼ1年、現在の生活に大変満足している。「ここでは1日5食提供され、料理の種類も豊富で、毎食メニューが変わり、祝祭日には特別料理も出る」と紹介する。

昆明晋寧区にある「古滇康養園」では、70歳の周燚(Zhou Yi)さんが兄と2LDKのアパートで一緒に暮らしている。「1人月額3000元(約6万4920円)強で、食費・住居費・娯楽費が全て含まれている」と話す。さらに彼女が気に入っているのはサークル活動だ。園内には合唱団、書道クラブ、京劇クラブ、民族音楽クラブ、太極拳クラブなど20以上のサークルがあり、生活に彩りを添えている。

居住環境が安全で、快適で、バリアフリーであるかどうかは、高齢者の生活の質に関わる問題だ。雲南省開遠市(Kaiyuan)の「朋陽老年アパート」を訪れると、浴室にはシャワーチェア、滑り止めマットが置かれ、トイレの横には手すりが設置されている。リビングのテーブルの両側にも手すりが設けられ、高さ60センチメートルのベッドは高齢者の寝起きを容易にしている。

リゾートステイする高齢者のほとんどに子供は同伴していないが、大小さまざまなトラブルに遭遇したらどうするのか?

「問題があればコンシェルジュに相談する。24時間対応してくれる」、湖南省(Hunan)衡陽市(Hengyang)から来た劉慶川(Liu Qingchuan)さんは、妻と共に「古滇康養園」に7年以上居住している。彼らのアパートの寝室、リビング、トイレには非常ボタンが設置され、コンシェルジュが24時間体制で待機しており、ボタンを押せばすぐに誰かが駆けつける。普段、園内ではほぼ毎週外出イベントが企画され、コンシェルジュが同行し安全を確保している。

多くの高齢者は日常的に孫の面倒を見ている人が多く、旅行に行きたくても手が離せない。「古滇康養園」は専用の幼稚園を開設し、現在200人以上の孫たちの面倒を見ており、多くの高齢者の「孫連れリゾートステイ」のニーズを満たしている。

「雲南聖境旅居産業発展」の袁純剛(Yuan Chungang)董事長は「我々は養老ワンストップサービスを提供するほか、さまざまなカスタマイズされたツアー型高齢者ケアの需要にも対応している」と説明する。

高齢者の多くは慢性疾患を抱えており、医療アクセスは必須だ。聖愛康養園の牟琳(Mou Lin)園長は「園内には内科と中医科が設置されており、高齢者は軽い病気なら園内で対応でき、重い病気の場合にはグリーンチャンネルを使って最速6分で病院に搬送できる。周辺には3つの三甲医院(最高レベル総合病院)がある」と説明する。園内では全ての高齢者の「健康記録」が作成され、健康指標が毎日モニタリングされている。看護師は24時間体制で、医師は定期的に回診を行うという。

多くの高齢者は、情報入手の手段が不足しているため、適切な養老リゾート施設の選び方がよく分からない。また養老サービスが規範化されていなかったり、安全保証が欠如していたりするという問題に直面することが多い。

昨年11月、北京養老業協会の主導で構築された「『冬南夏北(冬は南、夏は北)』養老リゾート施設・サービスプラットフォーム」が運営を始めた。今年3月10日現在、プラットフォームには天津市(Tianjin)、河北省(Hebei)、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)、吉林省(Jilin)、黒竜江省(Heilongjiang)など全国144か所の養老リゾート施設の情報が掲載されている。

このプラットフォームを通じて、高齢者は自身のニーズや好みに応じて、養老施設の立地、ベッド情報、料金体系などの基本情報を確認し、サービス相談や予約を通じて、自分に合った養老リゾート施設を選択することができるようになった。

雲南省民政庁高齢者事業促進処の王定学(Wang Dingxue)処長は「『冬南夏北』プラットフォームは、需給マッチングの仕組みを構築して、従来の受動的な監督を事前の先回りした監督へと転換し、養老リゾートステイに参加する高齢者の安心感を高めている。プラットフォームに掲載された施設のサービスがもしも良くなかった場合は、強制的に削除され、高齢者の権益が確実に保護されるようにしている」と説明する。(c)People’s Daily /AFPBB News