黒竜江省伊春市:中ロ国際結婚式が「ネットの注目ワード」に
このニュースをシェア
【11月23日 People’s Daily】中国・黒竜江省(Heilongjiang)伊春市(Yichun)を上空から眺めると、果てしなく広がる森林がうねるように広がっている。森林被覆率は83.8%に達し、世界で最も保存状態の良いチョウセンゴヨウの原生林群落を有している。伊春市北部はロシアのアムール州、ユダヤ自治州と黒竜江(Heilongjiang River)を隔てて向かい合っている。
森林によって発展してきたこの国境の街は、豊かな生態系の恵みを基盤とし、文化交流を架け橋として、近隣地域との相互理解と協力の絆を強め、世界に向けて多彩な「紹介カード(目玉アイテム)」を提示している。
伊春市の最北端にある嘉蔭県で、記者はロシア出身のユリヤ(Yulia)さんに出会った。「ここは私の第二の故郷です」、彼女はそう言った。ロシア民族舞踊を踊るユリヤさんは、声楽を学ぶ嘉蔭県の青年とパフォーマンスを通じて知り合い、2012年に嘉蔭県で開催された「第一回中ロ国際集団結婚式」で結婚の誓いを交わした。それ以来、ユリヤさんはこの地で仕事をしながら生活を続けている。嘉蔭県の「中ロ国際集団結婚式」は現在までに10回開催され、累計436組の中国とロシアの若者がここで結婚の誓いを立て、地元の「ネット有名ブランド」となっている。
黒竜江の流れは止むことなく、国境を越えた愛の物語がこの地で紡がれている。時の流れを遡れば、嘉蔭の「国際結婚」の伝統は百年以上の歴史を持つ。多くの地元住民がロシアへ出稼ぎに行き、ロシア人の配偶者を連れ帰り、婚姻を通じた交流が絶えることなく続いているという。嘉蔭県の北西端にある常勝郷には、黒竜江沿いに、常家村、勤倹村、樺樹林子村という3つのロシア民族系の村が分布している。
「私が生まれた時、取り上げてくれたのはイリーナさんだ」、樺樹林子村に住む69歳の叢成武(Cong Chengwu)さんは村の歴史を得意げに語る。イリーナさんは早い時期にこの村に嫁いだロシア人女性で、医療の知識があり、村の子供たちの多くが彼女の手で取り上げられた。村人の40%がロシアの血を引いている。彼女を記念して、村は小道に「イリーナ小路」と名付けた。
「国境を越え、森の都で縁を結ぶ」、中ロ国際集団結婚式は、周辺地域の多くの若者たちがここに「第二の故郷」を見つけるきっかけとなっている。今では二人の子供の母親となったユリヤさんは、ロシア語と訛りの強い東北地方の方言を流暢に切り替えて話す。中ロ国際集団結婚式は今も続き、「国と国との親善は民の親交にある」という素晴らしい物語を一つまた一つと紡ぎ続けている。
「伊春の雪景色は、童話の世界よりも美しい」、ロシア、アメリカ、東南アジア諸国の観光客が「伊春号」「林都号」の観光列車に乗り、小興安嶺の森林と雪原を進みながら、感嘆の声を上げている。「ここは山も水も美しく、景色が実に素晴らしい」、伊春市は故郷を推薦するよう市民に呼びかけている。約30万人のフォロワーを持つ「ネット有名人」のユリヤさんは、息子がロシア語で伊春の雪と氷を紹介する短い動画を、ロシアのウェブサイトで共有した。国際観光ルートの開設や国際的な情報発信ルートの構築を通じて、伊春市は森林と雪氷という「紹介カード(目玉アイテム)」を活用し、世界各国から友人たちを惹きつけている。
「伊春は素晴らしい。森林が豊かで空気が清々しい。必ず友人を連れてきて体験させたい」、ロシアのカーリングクラブの選手・ジアンナ(Gianna)さんが伊春に一目ぼれしたきっかけは、ウィンタースポーツだった。今年6月28日「2025中国・上海協力機構(SCO)雪氷スポーツモデル区国際カーリング招待試合」が伊春市の「紅松体育館」で開催され、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンなど各国の選手たちが参加した。熱戦を終えたジアンナさんは、ユリヤさんのように、伊春を紹介する「広報担当者」となった。「国際的な友人たち」が数多く伊春を訪れ、それぞれ彼ら独自の視点で伊春を知るための扉を開いている。
近年、伊春市は姉妹都市であるロシアのビロビジャン市との交流と相互の往来を緊密にしている。伊春市の中心部の「ビロビジャン広場」には、頭頂部にチョウセンゴヨウの浮き彫りが施された球体を戴く記念碑が建っている。一方ビロビジャン市にある「伊春広場」では、平和の鳩が同様の球体を掲げている。2つの都市は、中国とロシアの要素を融合させた記念碑をランドマークとして、両都市の人びとは深い友情を形に残している。国際集団結婚式やカーリングの国際大会などを重要な媒体として、森林の街・伊春は、人びとの親睦と心の交流を促進する特色ある道を切り開いている。(c)People’s Daily /AFPBB News