韓国、ついに「原子力の足かせ」解除へ…核燃料自立に一歩、だが課題は山積
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【11月18日 KOREA WAVE】韓国の核燃料自立を長らく制限してきた韓米原子力協定の改定に向けた動きが具体化し、核燃料の安定供給と使用済み燃料の管理効率向上への期待が高まっている。
韓国政府は11月14日、米国との安全保障・通商交渉に関するファクトシートで、米国政府が韓国によるウラン濃縮および核燃料再処理の権限拡大を「包括的に支持する」と明記したと発表した。
現行の韓米原子力協定では、韓国がウラン濃縮や使用済み核燃料の再処理をするには、米国の事前同意が必要とされている。この規定は、1974年にインドが核実験を実施したことを受け、米国が核不拡散政策を強化する中で導入されたもので、2015年の協定改定でも一部の研究的使用に限って緩和されただけだった。
今回の合意により、韓国の核燃料自立に向けた道筋は開かれたが、協定の改定と発効には、米連邦議会の承認が不可欠であり、実現にはなお多くの障壁が残されている。
現在、韓国は原子力発電に必要な核燃料を全量海外に依存している。稼働中の原発で使用される3〜5%濃縮のウランは、天然ウランを濃縮して得る必要がある。また、近年注目を集める小型モジュール炉(SMR)では、より高濃度の燃料が求められており、韓国としては自主的な供給体制の構築が急務となっている。
一方で、使用済み核燃料の保管問題も深刻だ。韓国国内の原発における使用済み燃料の貯蔵施設はすでに90%以上の飽和状態に達しており、再処理によって体積を減らし一部を再利用する必要があるが、現行協定がこれを阻んでいる。
原子力業界関係者は「再処理は使用済み燃料の削減と再利用という利点があるが、根本的には最終処分施設の確保が最大の課題だ」と指摘する。
だが、濃縮・再処理技術は核兵器製造につながる恐れがある「敏感技術」とされ、国際社会はこれに対して厳格な監視を求めている。濃縮度が90%を超えると兵器級ウランとなり、再処理の過程ではプルトニウムが抽出される可能性がある。再処理が認められている日本ですら、国際原子力機関(IAEA)の常時査察を受けている。
韓国国内での住民の受け入れも大きなハードルだ。日本の青森県六ヶ所村にある再処理施設は、住民の反対と訴訟によって工事が27回も遅延し、1993年の着工から30年以上が経った現在も稼働に至っていない。韓国でも同様の社会的対立が起こる可能性が指摘されている。
専門家たちは今回の協議が核燃料自立への「足がかり」としては重要だが、実際に制度や設備が整い、成果が実感できるようになるには、米議会の批准、IAEAによる検証体制の受け入れ、国際社会からの信頼の確保、さらには国内の住民合意形成など、多層的な課題が残されており、数年から10年以上かかる可能性があると見ている。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News