【11月19日 CNS】「机の上に置き忘れたスマートフォンが、誰にも取られなかった!」最近、ロシア人記者のリック・サンチェス(Rick Sanchez)氏がフランス・パリ科技商学院(Paris School of Technology and Business)の趙克峰(Zhao Kefeng)教授との対談で、中国のホテルでの体験をこう語った。しかし、これは偶然ではない。中国の対外開放が進み、「China Travel(チャイナトラベル)」が世界的な人気を集めるなか、中国を訪れる外国人が増え、そこで「中国式の安全」を実感するケースが相次いでいる。ある外国人ブロガーは、店内でノートパソコンとバッグを机に置いたまま1時間ほど席を離れたが、戻ると手つかずのままだったと驚きを語った。また、夜に一人で街を歩けるほど治安が良いと感じ、「こんなことができる国は多くない」と話す女性ブロガーもいる。こうした体験談が、外から抱かれがちなイメージを覆し、世界に「等身大の安全な中国」を伝えている。それは単なる概念ではなく、落としたスマートフォンがそのまま戻ってくる安心感や、夜道でも気負わず歩ける落ち着き、そして見知らぬ人への素朴な信頼感といった、日常の中で自然に感じられるものだ。

中国式の安全は、日常の細部に溶け込み、同時にデータにも表れている。国家統計局によれば、2020年以降、中国国民の安全感は5年連続で98%以上を維持し、「安全で安心できる中国」は鮮やかな国家ブランドとなった。米世論調査企業ギャラップ(Gallup)の「2025年世界安全報告」でも、中国は世界で最も安全な国の一つとされ、中国国民の安全感や「法と秩序指数」は主要な西側諸国を大きく上回った。

では、この安全感はどこから生まれるのか。まず、社会ガバナンスの充実が安全の基盤となっている。「第14次五か年計画(十四五)」期間中、中国では刑事事件が全体として減少傾向にある。2024年の全国刑事事件の立件数は前年比25.7%減、殺人事件の発生率も10万人当たり0.44件と世界でも最も低い水準だ。各地では「人的防犯+技術的防犯」を組み合わせた防犯網が整備され、スマート防犯システムが24時間体制でコミュニティを見守り、細かな管理体制が早期発見と迅速な対応を可能にしている。

次に、政策の安定性が人びとの安心感につながっている。中国は国内で長期的視点を重視しつつ、必要に応じて政策を適時・適度に調整しており、短期的な都合で政策が頻繁に変わる国とは対照的だ。国際面では、中国国際輸入博覧会(輸入博、CIIE)・中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)・中国輸出入商品交易会(広交会)・中国国際サプライチェーン促進博覧会(通称:チェーン博、China International Supply Chain Expo)などの国際協力プラットフォームを通じて世界との交流を広げ、高水準の対外開放は揺るぎない。これが世界にとって大きな安心材料となっている。

さらに、ビジネス環境の改善も、安全な成長空間の形成につながっている。市場準入制度の整備や公平競争の推進、外資安定策などが進められ、あらゆる市場主体に公平な競争環境が提供されている。これは、一部の国にみられる「外資の墓場」といった印象とは対照的だ。こうした源流から末端までの徹底した取り組みによって、中国は観光客にとって魅力的な目的地であると同時に、海外投資家にとっても「安全な港」になっている。

投資家が重視するのは、市場機会や政策優遇だけでなく、自身と財産の安全だ。中国が15年連続で1000億ドル(約15兆4740億円)超の外資を引きつけているのは、世界が中国の安定性に投じた「信任票」だと言える。一方で、一部の西側諸国では銃暴力や人種対立が深刻化し、基本的な社会の安全ですら揺らいでいる。投資家や観光客がリスクを避けるのは当然だ。

安全とは、社会の隅々にまで染み込んだ「信頼という資本」である。それは、海外観光客が中国の活気を楽しみに訪れ、世界の投資家が安心して中国に根を下ろし、そしてここに暮らす人びとが安心を当たり前の前提として受け止められる状況を意味している。「安全で安心できる中国」は国境を越え、世界に示す中国モデルとなりつつある。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News