【11月17日 AFP】ギリシャは16日、ロシアの攻撃でエネルギーインフラが壊滅的な被害を受けているウクライナに対し、米国産の液化天然ガス(LNG)を供給する契約を締結した。

今回の合意は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がアテネを訪問し、欧州歴訪を開始したタイミングでの発表となった。ロシアによる侵攻開始から3年半以上が経過する中、ウクライナは厳しい冬を迎えるにあたり、防衛力とエネルギー供給の強化を目指している。

ギリシャ国営ガス会社DEPAとウクライナ国営天然ガス企業のナフトガスは、ゼレンスキー大統領とギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相の会談後に、2025年12月から2026年3月までの契約を発表した。署名式には米国のキンバリー・ギルフォイル駐ギリシャ大使も出席した。

共同声明によれば、この合意は「地域のエネルギー協力と欧州のエネルギー安全保障を強化する重要な一歩」だという。ミツォタキス首相とゼレンスキー大統領は、「困難な冬のさなかにウクライナを支援することが可能になる」と述べた。

また、ミツォタキス首相はこの契約を、「ロシア産ガスからの完全なエネルギー自立に向けた決定的な一歩」と位置づけた。これは、輸入依存からの脱却に苦慮してきた欧州にとって重要な目標である。

欧州連合(EU)加盟国の多くは最近、戦争資金を断つため、2027年末までにロシア産天然ガスの輸入を禁止する方針を承認している。(c)AFP