COP30開催地ベレンで大規模デモ 会場周辺では4年ぶり
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【11月16日 AFP】国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)が開催されているブラジル北部アマゾン地域の都市ベレンで15日、大規模なデモ行進が行われた。COP会場周辺での大規模デモは4年ぶりとなった。
焼けつくような太陽の下、先住民や活動家らは歌い、声を上げ、音楽に合わせて踊りながら、地球を模した巨大なビーチボールを押し進め、「守られたアマゾン」と書かれたブラジル国旗を掲げた。
一部には「化石燃料の葬列」を模したグループもあり、喪服姿の人々が「石炭」「石油」「ガス」と記した三つの棺を運んだ。
著名な先住民リーダー、ツァイ・スルイさん(28)はAFPに対し、「私たちは各国が約束を果たすよう圧力をかけ、後退を許さないためにここに来ている」と語った。
今回の大規模デモは、4年前のグラスゴーのCOP26以来。過去3回の会議は、デモへの許容度が低いエジプト、ドバイ、アゼルバイジャンで開かれていた。
「きょう私たちは、森が破壊されるという虐殺を目の当たりにしている」と、西部先住民グループ、フニ・クインのベネディト・フニ・クインさん(50)は話した。「アマゾンから声を届け、結果を求めたい。私たちの権利を守るため、COPにはもっと多くの先住民代表が必要」と訴えた。
デモには国際団体の参加者も加わり、英NGO「ウォー・オン・ウォント」のタイロン・スコットさん(34)は「先住民主導で、人々の力による行進だ」と述べ、「COP会場内の停滞した空気に対する小さな処方箋のようだ」と語った。
参加者の要求には、特に疎外されたコミュニティに対する、企業や政府がもたらした被害への「補償」も含まれた。中には、「帝国主義」を批判するために「強欲なアンクル・サム」に扮(ふん)した参加者や、化石燃料を推進し気候科学を否定するドナルド・トランプ米大統領を批判する風刺画も見られた。
デモ隊は市内を約4.5キロ行進した後、会場から数ブロック離れた地点で停止した。会場周辺には兵士が配置されていたが、主催者発表で5万人の群衆は平和裏に解散した。
この日の大規模デモの前にも、先住民主導の抗議デモが2回行われていた。
11日には、グループが会場に強行突入し、警備員と衝突して一部が軽傷を負った。14日には、先住民数十人が約2時間にわたり会場入口を封鎖し、アマゾンでの厳しい状況を訴えた。緊張を緩和するために高官が介入した。(c)AFP/Facundo Fernández Barrio and Issam Ahmed