【11月14日 AFP】ドイツの連立政権は、国民に兵役の義務を課すかをめぐる数週間の議論の末、新たな志願兵制で合意した。政治家らが13日、明らかにした。

この計画が採用されれば、来年から18歳の男性全員が兵役を希望するかを問う質問票に回答し、軍の身体検査を受けることが義務付けられる。

兵役の魅力を高めて入隊希望者を増やすことを提唱しているボリス・ピストリウス国防相は、ドイツ連邦軍への入隊を強制されることはないと述べた。

フリードリヒ・メルツ首相は、ロシアの敵対的な姿勢と、将来の米国の欧州安全保障への関与への疑念を理由に、装備が不十分なドイツ連邦軍の強化を最優先事項に掲げており、軍事費を大幅に増額して同軍を「欧州最強の通常軍」にすると表明している。

内閣は8月、中道左派「社会民主党(SPD)」所属のピストリウス国防相が主導する兵役制度の見直しを承認した。

だが、メルツ首相率いる保守「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」の議員らは、志願兵が不足する場合に「徴兵くじ引き制」という形で義務的な要素を導入するよう求めた。

CDU・CSUの連邦議会会派でのリーダー(院内総務)を務めるイェンス・シュパーン氏は、12日夜の合意の一環として、徴兵くじ引き制案は見送ると述べた。

「最終的に志願兵制だけでは兵員不足となれば、兵役義務も必要になるだろう」と述べたが、それにはさらなる法整備が必要だと付け加えた。

社会民主党(SPD)のマティアス・ミヤース院内総務は、ドイツ連邦軍は十分な数の志願兵を確保できると確信しており、新たな志願兵制は若い男女への「提案」であり「義務ではない」と述べた。

■徴兵制は「最後の手段」

ピストリウス氏は、徴兵制は「最後の手段」であり、「魅力的な兵役制度の設計」に重点を置くと述べた。

「私は、このすべてがうまくいくと確信している」「他の欧州諸国、特に北欧では、志願兵制と魅力的な仕事を組み合わせた原則が機能していることが示されており、ドイツでも同様の結果が得られることを期待している」と述べた。

北大西洋条約機構(NATO)の目標は、ドイツの総兵力を現役26万人、予備役20万人の計46万人とすることだ。

だが、現在の兵力は現役18万2000人、予備役4万9000人の計23万1000人にすぎず、目標には程遠い。(c)AFP