【11月14日 AFP】英国のアーティスト、デービッド・シュリグリー氏が、ロンドンのギャラリーに何トンもの廃棄されたロープを積み上げ、それに100万ポンドの値札を付けた。「money for old rope(直訳:古いロープに払うお金)」という格言を遊び心で表現した作品だ。

ターナー賞にノミネートされたことがあるシュリグリー氏の作品は、ロンドン中心部のスティーブン・フリードマン・ギャラリーで14日に公開される。

作品は4個の巨大な古いロープの山で構成されている。合計で約10トンの重さがあり、数か月にわたる収集の後、60枚のパレットに載せて運ばれた。

プロジェクトは、何よりも楽しさを追求している。13日にAFPがギャラリーを訪れた際、通行人たちが大きな窓から覗き込み、笑い声をあげている姿が見られた。

「私は『古いロープに払うお金』というイギリスの格言に基づいて行動することにしました。これは基本的に、価値のない商品やサービスに対して報酬を受け取る(楽に稼ぐ)という意味です」とシュリグリー氏は語った。

「その言葉を文字通りに表現したらどうなるかに興味がありました」

約7か月にわたり、シュリグリー氏は仲間と一緒に、英国中の漁師やクライミングセンター、 船着場などから廃棄されたロープの断片を集め、ブライトンにある自身のスタジオで洗浄した。

「リサイクルできないので、古いロープを無償で提供してくれる人が多いことがわかりました」とシュリグリー氏は言った。

ギャラリーでの設置は簡単だった。

「特に計画はなく、ただ積み上げただけです」「どのように展示するかについて、美的な決定は一切していません。本当にただ4個の大きな山がほぼ同じサイズであるだけです」

価格は少し「高い」と認めているが、それもジョークの一部だという。一方で、シュリグリー氏は正当な理由があるとも話した。

「重量で考えると、実際には非常にお得です」と言い、現代アートには時折、法外な価格が付くことについて言及。「100万ポンドではあまり多くのアートを手に入れることはできませんが、10トンはお金に対して非常に良い価値を提供していると思います」

シュリグリー氏は、この作品に単一の意味はないと話す。アートは単一の答えで解決するパズルではなく、議論やアイデアの引き金となるべきだと語った。

「基本的に、価値のないもの、あるいは冗長性を持つものをアートとして提示しています」「それはもはや役に立たない。だから、そこには少しの哀愁があるかもしれません」

「誰かがこれを買うとは思いませんが、それでも、見に来て、どう思うか感じてみるのはいいことです」と話し、「もし100万ポンドプラスVATを持っているなら、賢い投資ができます」と続けた。

展覧会は12月20日まで開催される。(c)AFP/Martin POLLARD