【11月17日  People’s Daily】旋回、伸展、アームを振る・・・、安徽省(Anhui)蕪湖市(Wuhu)鳩江区)の「エフォート智能機器人(EFORT Intelligent Robot)」の製造納品センターに足を踏み入れると、「就労」前の最終テストを行っている一団の産業用ロボットが目に入る。傍らの生産ラインでは、運搬、ペアリング、組み立て作業が、作業員たちの息の合った連携のもと行われ、平均して1時間に1台のペースでロボットが完成していく。

中国は世界最大のロボット生産国であり、今年上半期には、産業用ロボットの生産台数は前年同期比35.6%増加した。

生産管理責任者・張飛(Zhang Fei)氏によると、現在、同社は月間約2000台の生産任務をこなしているが、5年前には年間でこの程度の販売台数だったという。
アーク溶接製品総監・尚旭冉(Shang Xuran)氏の話では、昨年のロボット販売台数は1万6000台だったが、今年は上半期だけで約1万台の販売を達成し、通年では2万台を突破できる見込みだ。

同社では4年間で販売台数が3倍に急成長し、今年も25%超えの高い成長率を維持できる見込みだ。その成功の要因は何か。

張帷(Zhang Wei)副総経理は「以前、わが社の製品は太陽光発電企業への販売が中心だった。しかしここ数年、市場のニーズに応えて、自動車や家電などの製造に適したロボット製品を開発し、製造を始めている」と話す。

消費財の買い替え支援政策により、新エネルギー車、電子製品、家電などの販売が大幅に増加し、関連企業の生産規模拡大と生産効率向上が促され、エフォート社に新たな発展機会が到来している。また政府が「製造業のスマート化改造」を継続的に推進しているため、メーカーの産業用ロボットへの需要は旺盛で、エフォート社はより大きな市場が獲得できている。

この流れについて「銭潮智造(蕪湖)(Qianchao Intelligent Manufacturing Wuhu)」の設備部門責任者・湯連生(Tang Liaosheng)氏は、深く共感するところがある。同社は主に自動車の等速ドライブシャフト部品を生産している。作業場内では、搬送ロボットが生産ラインと資材庫の間を縦横に動き、整然と搬送任務を実行している。湯氏によれば、この63台の搬送ロボットのうち、58台がエフォート社製だという。
同社は以前、海外の搬送ロボットを購入していたが、価格が高かったため代替品を求めて16キロ離れたエフォート社を訪ね、同社のロボットをまず1台購入して比べてみた。

「テスト結果は、国産ロボットの安定性、信頼性が輸入品に劣らず、価格は40%以上も安かった。しかも近所のメーカーなので、何か問題があれば迅速に解決してくれる」、湯氏はそう評価している。新しい生産ラインを建設した時、同社は迷わずエフォート社から作業ロボットを一揃え調達した。

エフォート社のプラットフォーム製品総監・章林(Zhang Lin)氏は「製品性能の向上と国産代替の実現には、サプライチェーンの上流と下流が協力して難関に当たることが不可欠だ」と強調する。例えば、歯車伝動式ロボットの関節設計は、かつて中国国内での高性能産業用ロボットの生産で直面した大きな技術的障壁だった。エフォート社は上流の主要部品メーカーと共同研究開発を行い、14か月を費やしてこの難題を解決した。

現在、この技術を使用したロボットは、「比亜迪汽車(BYD)」や「賽力斯汽車(セレス、Seres)」など国内の新エネルギー車メーカーの生産ラインに大規模に導入されている。

昨年、中国の産業用ロボットの海外市場シェアは世界第2位に躍進し、今年上半期の輸出は61.5%増加したが、この中にエフォート社が技術を吸収し、転化し、海外へ発展する姿がある。

エフォート社の生産ラインでは、6台の塗装ロボットと2台の車のドア開閉ロボットとが連携して、車体の内外の模擬塗装を行っている。

張帷副総経理によると、これは昨年設置した自動車塗装テスト検証ラインだ。「我々は30年以上の塗装ロボット開発実績を持つイタリアの『CMAロボティクス(CMA Robotics)』を買収し、2年あまりかけて技術を消化した。これらの塗装ロボットは、それをベースに我々が自主開発したものだ」、張氏はこう説明した。

このロボットは、国内の軌道交通、乗用車、自動車部品などの業界で大量に採用されているだけでなく、海外にも進出し、イタリアの自動車メーカー・マセラティ(Maserati)やアルファロメオ(Alfa Romeo)などから高い評価も得ている。

張氏によると、6月だけで100台以上の塗装ロボットを納品したという。

また30キロ離れた場所では、年間生産能力10万台規模のロボットスーパー工場が着々と建設されている。この新工場ではスマートロボットがロボットを組み立てるというモデルの実現が計画されている。

エフォート社は「ロボットがロボットを造る」という構想を現実のものすることを目指している。(c)People’s Daily /AFPBB News