【11月12日 AFP】ポルトガル・リスボンで10日、年次開催の見本市「ウェブサミット」が始まった。13日までの期間中、ハイテク業界のリーダーたちが、人工知能、ロボット、スタートアップについて議論を交わす。

主催者によると4日間の日程で開催される「ギークのためのダボス会議」には、スタートアップ2500社と投資家1000人を含む、世界150か国から7万人以上が訪れるという。

10日には、マイクロソフトが英国のスタートアップ「Nscale」と共同でポルトガルに100億ドル(約1兆5500億円)を投資し、AIデータセンターを建設すると発表し、大きく注目された。

マイクロソフトは「欧州におけるAIコンピューティング能力への最大規模の投資の一つ」とし、またNscaleのダニエル・バースハースト最高製品責任者(CPO)はAFPに「過去5か月間でAI分野の需要は急激に高まっている」と語った。

■中国への関心

参加者の多くは、中国が技術大国として台頭する動きに関心を寄せている。

「これら技術の最前線にいる世界のコンピュータ科学者やコンピュータエンジニアの半数は中国にいる」とAFPに語ったのは、米半導体大手エヌビディアでシミュレーション技術を担当するレブ・レバレディアン副社長だ。

同社のジェンセン・フアン最高経営責任者(CEO)は今月、次世代人工知能の競争で勝利するのは中国になるだろうと発言した。

エヌビディアの最先端チップは輸出規制のため中国では利用できない。しかしレバレディアン氏は、「もし彼らを排除しようとすれば、彼らは同じものを開発する方法を見つけるだろう」と述べ、「われわれは彼らと協力し、彼らの仕事から恩恵を受ける機会を失うことになる」と続けた。

ウェブサミット主催者のパディ・コスグレーブ氏も10日の開会イベントで、「西側の技術支配の時代が終わろうとしている」と語っていた。