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【11月12日 KOREA WAVE】韓国のビューティー業界大手3社が2025年7~9月期(第3四半期)の業績を発表し、企業間で明暗がくっきりと分かれた。中国依存からいち早く脱却し、グローバル市場に本格進出したアモーレパシフィックは、売り上げ・営業利益ともに大幅増加を記録した。一方、依然として中国市場に足を取られたLG生活健康および愛敬産業(エギョン)は不振から抜け出せなかった。

金融監督院の電子公示によると、アモーレパシフィックは第3四半期、売り上げ1兆169億ウォン(前年同期比+4.1%)、営業利益919億ウォン(同+41%)を計上した。持株会社であるアモーレパシフィックホールディングスも売り上げ1兆1082億ウォン、営業利益1043億ウォンとそれぞれ増加した。

海外市場では、リップ・スキンケア分野を強化した「ラネージュ」、皮膚科向けブランド「エストラ」、機能性ヘアケアの「リョ」などが好調だった。これにより海外売り上げは前年比3%増、営業利益は73%増と大きく成長した。

米州市場では「ラネージュ」の急成長に加え、「エストラ」や「ハンユル」など新規ブランドが本格展開し、「COSRX(コスアールエックス)」はTikTok Shopを通じたバイラル販売で売り上げを拡大させた。

欧州・中東(EMEA)市場では新ブランドの導入によるポートフォリオ多様化が進み、中華圏では事業構造の健全化により黒字転換に成功した。「リョ」をはじめとするヘアカテゴリーの売り上げが伸び、日本を含むその他アジア市場でも顧客接点が拡大している。

同社は「プレミアムスキンケア分野でグローバルトップ3入り、海外売り上げ比率70%達成」を目標に掲げ、事業ポートフォリオの高度化と海外市場での拡大を続けていく方針である。

一方、LG生活健康と愛敬産業は、中国国内消費の鈍化により利益を圧迫された。愛敬産業は第3四半期、連結売り上げ1693億ウォン(+2.4%)、営業利益73億ウォン(-23.6%)を記録した。LG生活健康は売り上げ1兆5800億ウォン(-7.8%)、営業利益462億ウォン(-56.5%)といずれも前年同期比で減少した。

特に化粧品事業の低迷が顕著だった。愛敬産業の化粧品部門は売り上げ515億ウォン(-9.7%)、営業利益21億ウォン(-45.8%)と大幅な減収減益。LG生活健康の化粧品事業も売り上げ4710億ウォン(-26.5%)、営業損失は588億ウォンに拡大した。前期(第2四半期)でも同社は化粧品売り上げ6046億ウォン、営業損失163億ウォンを記録しており、不振が継続している。

愛敬産業は中国市場の収益性悪化に対処するため、日本・米国・ロシア・英国など販売国の多角化を進め、収益回復を図っている。同社は今後の戦略として「プレミアム製品による収益性強化」「グローバル化」「成長チャネルへの対応強化」などを掲げ、中長期的な競争力強化を目指す。

LG生活健康は、ビューティー事業の健全性を確保するため、大規模な出荷調整と従来型販路の再編に乗り出している。加えて、MZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)に人気の基礎化粧品・メイクアップブランドにおいて、機能性の新商品を継続的に投入し、市場競争力の強化を図っている。

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