【11月11日 AFP】フランスのニコラ・サルコジ元大統領(70)は10日、パリのラ・サンテ刑務所から出所した。リビアの故ムアマル・カダフィ大佐側から選挙資金の提供を得ようとしたとして「共謀」の罪に問われ、有罪判決を受けていたが、控訴審を前に司法監督下での釈放が認められた。刑務所での20日間を「悪夢のようだった」と振り返った。

サルコジ氏は出所後すぐにX(旧ツイッター)に「真実は明らかになる」と投稿。「これから控訴の準備を進める。私のエネルギーは無実を証明することにのみ注がれている」と述べ、支持者に向けて「何千ものメッセージに深く感動し、この試練を耐え抜く力をもらった」と感謝を示した。

9月の一審判決で、サルコジ氏は2007年の大統領選でカダフィ政権から資金提供を得ようとしたとして有罪とされ、5年の実刑を言い渡された。裁判所は「有罪の重大性」を理由に、控訴中であっても収監するよう命じていた。

サルコジ氏は10月21日に、欧州連合(EU)加盟国の元国家元首として初めて収監された。その後、弁護団が釈放を申請し、10日の審理で認められた。控訴審は2026年3月に開かれる予定で、この段階でサルコジ氏は再び推定無罪の立場となった。

出所に際し、裁判所はサルコジ氏にフランス国外への渡航を禁じ、リビアの元当局者や仏司法関係者との接触を禁じた。

同日の審理では、サルコジ元大統領はビデオ通話で出廷し、「刑務所での生活は厳しい。どの受刑者にとってもそうだろう。むしろ過酷だったと言いたい」と語った。

また、「刑務所職員は並外れた人間性を示し、この悪夢を耐えられるものにしてくれた」と感謝の意を表した。

サルコジ氏は一般受刑者から隔離され、安全確保のために2人のボディーガードが隣室に配置されていた。(c)AFP