【11月11日 AFP】ロシアは10日、同国軍が新たにウクライナの三つの村を占領したとして、ウクライナが勝利できると考えるのは妄想だと主張した。

ロシアは兵力と装備の優位性を活かしようとしているが、進行速度は遅く、損失が大きくなっている。

ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して約4年が経過した現在、両軍は強固な陣地を築いている。

ロシア大統領府(クレムリン)のドミトリー・ペスコフ報道官は電話会見で、「欧州諸国は、ウクライナがこの戦争に勝利し、軍事力によって自国の利益を確保できると信じている」「これはウクライナ政権が抱く最も深い妄想だ。前線の状況は正反対であることを示している」と述べた。

ロシア国防省は10日、ウクライナ南部ザポリージャ州のスロドキエ村とノベ村、東部ドネツク州のグナティウカ村を占領したと発表した。

ペスコフ報道官は、ウクライナ侵攻は「ロシアが当初設定した目標を達成」しない限り終わらないと主張した。

ロシア側は、ウクライナが東部ドンバス地域(ルハンスク、ドネツク両州)から完全に撤退し、西側諸国からの軍事支援を放棄した場合にのみ、進攻停止について協議すると述べている。

ウクライナ側は、これらの要求は降伏に等しく受け入れられないと主張。たとえ受け入れたとしてもロシアのさらなる攻撃にさらされるだけだとも述べている。

ペスコフ報道官は、ロシアが前線の主導権を握っており、決して侵攻を停止するつもりはないと述べた。(c)AFP