重慶、高齢者施策が進展 シルバー経済に活気
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【11月11日 東方新報】自宅での介護支援の充実、高齢者にやさしい環境づくりの推進、高齢者の権利保護体制の整備——。2025年重慶市(Chongqing)高齢者福祉事業・権益保護優良事例発表会で明らかになったところによると、現在、重慶では高齢者福祉事業が多方面で進展し、シルバー経済が新たな活力を見せており、介護サービスの質も着実に向上している。
データによると、2024年末時点で重慶市の60歳以上の常住高齢人口は801万1300人に達し、前年より35万1900人増加。常住人口の25.11%を占めている。
重慶市民政局の関係者によれば、「重慶の高齢者人口は拡大を続けているが、その構成はまだ『若い』といえる。70歳未満の『前期高齢者』が市全体の高齢人口の約半数を占めており、教育水準が比較的高く、健康状態も良好で、社会参加への意欲も強い。彼らはシルバー世代の潜在力を引き出し、社会発展を支える貴重な資源だ」という。重慶市は高齢化の波に対応するため、近年、高齢者福祉と関連産業の一体的な発展を進め、全方位的かつ多層的な介護・保障ネットワークを構築してきた。
統計によると、重慶市の年金保険加入者は2666万7000人。低所得世帯として支援を受けている高齢者は28万3000人、生活困難な特別支援対象の高齢者は15万7700人に上る。80歳以上の高齢者約110万人が毎月手当を受け取り、17万人を超える障がいのある高齢者が2種類の補助金を受けている。複数の支援制度が、高齢者の生活を支える強固なセーフティネットとなっている。
医療面では、重慶市の基本医療保険の加入者は3133万人を超え、高齢者はほぼ全員が保障対象となっている。市内には高齢者医療を専門とする病院が10か所あり、2級以上の総合病院の約8割が老年医学科を設置。医療と介護の連携機関176か所で計5万2000床が提供されており、高齢者がより便利に医療サービスを受けられる体制が整っている。
介護施設面では、家庭内介護用ベッド5000床の整備を試行し、3万9000戸で住宅のバリアフリー改修を実施。34区県のセンター、955の街・鎮センター、2871の地域拠点によるコミュニティ介護ネットワークが形成され、1695か所の高齢者食堂が食事や介護の課題を解消している。また、要介護高齢者向けの特別ケア施設52か所と8000か所の相互支援拠点により、農村部の高齢者も安心してサービスを受けられるようになった。
さらに、重慶市は高齢者が暮らしやすい都市環境の整備にも力を入れている。全国モデルとなる高齢者に優しいコミュニティ113か所を整備し、市中心部には25路線の高齢者向けバスを運行。老朽住宅の改修やバリアフリー設備の整備も進めている。677万枚の高齢者向けバスカードを発行し、文化施設は常時無料開放。社会参加の機会も広がり、約98万人の高齢者ボランティアがさまざまな分野で活動している。1万校を超える高齢者学習拠点が設けられ、延べ200万人以上が学習に参加。さらに、407万人が日常的にスポーツ活動に取り組んでおり、「生きがいを持ち、楽しみを見つける」高齢期の暮らしが重慶ではすっかり定着している。(c)東方新報/AFPBB News