秦の始皇帝祖母の墓から出土したテナガザル 絶滅した新種と判明 中国
このニュースをシェア
【11月11日 CGTN Japanese】中国の研究者が主導する国際研究チームは、古DNAシーケンシング技術により、秦始皇帝(紀元前259~前210年)の祖母である夏太后の陵墓から出土したテナガザルは、テナガザル属の新種であることを確認しました。この研究成果に関する論文は11月8日、米国の科学学術雑誌「セル」に掲載されました。
中国北西部の陝西省考古研究院は2004年、秦始皇帝の祖母である夏太后の陵墓を発掘調査した際、第12号副葬坑からテナガザルの骨格を含む動物の骨格群を発見しました。2018年、中国と英国の研究者は形態学の研究を通じて、これはテナガザルの新属・新種であり、すでに絶滅していると判断し、「帝国君子テナガザル(Junzi imperialis)」と命名しました。
中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の付巧妹研究員が率いる研究チームは2025年、このテナガザルの歯から古DNAを抽出しDNAシーケーシングを実施した結果、「帝国君子テナガザル」は新属ではなく、新種であることを発見しました。
論文の責任著者である中国科学院昆明動物研究所の呉東東研究員は、「われわれは『帝国君子テナガザル』はテナガザル属の新種であることを確認し、従来の研究結果を訂正した。現在のカイナンテナガザルによく似ていて、近縁種だ」と述べました。
「帝国君子テナガザル」は陝西省西安市南郊外にある秦始皇帝の祖母である夏太后陵の南東にある第12号副葬坑から出土したもので、同坑からはテナガザルのほか、ヤマネコ、オオヤマネコ、アジアツキノワグマ、タンチョウなども出土しており、青銅製の鎖や飼育器具も同時に発見されたとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News