イランが駐メキシコ・イスラエル大使の暗殺を計画、米国が非難
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【11月8日 AFP】米国とイスラエルは7日、イランが駐メキシコ・イスラエル大使の暗殺を企てたとして、非難した。イランは「大きなうそ」と否定し、メキシコ政府も「そういった計画については把握していない」と述べた。
イスラエルとイランは両国間で互いに領土を攻撃し合うなど、かつてないほど緊張が高まる中で、この暗殺未遂とされる一件が発生した。
イスラエルは、メキシコ当局がエイナット・クランツナイガー大使の殺害を阻止したと発表したが、メキシコ外務省は後に「そのような事件に関する情報は受け取っていない」と否定した。
クランツナイガー大使はメキシコのメディアに対し、相反する声明について「否定の理由は分からない」とし、「脅威を無力化したのは、メキシコの治安および情報当局だった」と述べた。
一方、駐メキシコ・イラン大使館は、この暗殺計画の疑惑を「大きなうそ」と否定。X(旧ツイッター)に「目的は、両国(メキシコとイラン)の友好的かつ歴史的な関係を損なうことにある。われわれはこれを断固として拒否する」と投稿した。
メキシコは歴史的に国際問題への不干渉を掲げており、パレスチナ自治区ガザ地区の紛争に関しても、他の左派政権の中南米諸国と比べて慎重な姿勢を取っている。
イスラエルによる戦争犯罪疑惑についての調査を支持する一方で、イスラエルとの外交関係は維持しており、両国の関係は長年にわたりおおむね友好的である。
米国の当局者によれば、イラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊「コッズ部隊」が2024年後半にこの暗殺計画を開始し、今年に入って阻止されたという。
この計画には、イランのベネズエラ大使館を拠点に工作員をリクルートすることも含まれていたとされる。ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、イラン政府と戦術的な同盟関係にある。(c)AFP