パリに初店舗開店の中国発SHEIN、仏当局がウェブサイトを停止
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【11月8日 AFP】中国発のインターネット通販「SHEIN(シーイン)」が世界初の実店舗をパリに開店する中、フランス政府は、子どもを模した「ラブドール(セックスドール、ダッチワイフ、等身大の女性の人形)」を扱っているとの抗議の声を受け、同社のオンラインショップの停止を発表した。
SHEINの常設店舗は、パリ市役所の向かいにある老舗百貨店「BHV(べー・アッシュ・べー)」の6階に設けられ、開店初日には数百人の買い物客が詰めかけた。警察は通りを巡回し、バリケードを設置して抗議者が店舗に近づくのを防いだ。
その開店直後に政府当局は、SHEINのデジタルプラットフォームを、同社がフランスの法律に準拠するまでの間、停止すると発表した。
一流ファッションの中心地で、ファストファッションのビジネスモデルやその環境への影響をめぐって大騒動が起きたにもかかわらず、高級百貨店前には長蛇の列ができた。年配のカップル、子連れの母親、流行に敏感な若者らの来店理由は、好奇心や価格の安さだったという。
SHEINのオンラインショップをすでに利用しているモロッコ出身の大学院生(30)は「時代も世代も変わった」「BHVに来るとは思ってもみなかった。高級品ばかりだと聞いていたけど、SHEINのおかげでここにいる」と語った。
17歳の娘に16.49ユーロ(約2900円)のTシャツを買ったという女性は、「オンラインより高い」と不満を漏らした。
■子供に対する犯罪
近くでは児童保護団体が抗議活動を行い、左派系政治団体は演説やビラを配布して「強制労働の疑い」や「環境汚染」を非難し、出店に反対する署名を呼びかけた。
2012年に中国で創業し、現在はシンガポールに拠点を置くSHEINは、工場での労働環境やウルトラファストファッションによる環境負荷など、さまざまな批判を受けてきた。フランス国内では、政治家、労組、著名ブランドなどがSHEINの進出に反対している。
店舗のオープン前にはSHEINのサイトで子どもを模したラブドールが販売されていたことが発覚し、政治的批判が巻き起こった。これを受けて、SHEINに加え、同じインターネット通販のアリエクスプレスなどに対する司法調査が開始された。
5日に仏政府は「プラットフォームのすべてのコンテンツが法律に準拠していることを当局に示すまでの間」、SHEINのウェブサイトを停止すると発表。SHEIN側は仏当局との対話を望むとしつつ、フランス国内ではサードパーティーベンダーの商品を一時停止すると発表した。
BHV運営会社のフレデリック・メルラン社長は、SHEINとの提携を中止することも検討したが、最終的には継続を決断。「SHEINが来店者数の増加に貢献することを期待している」と述べた。
SHEINは今後、ディジョンやグルノーブル、ランスなど国内5都市でも店舗を開店する予定だ。(c)AFP