中国の海洋生産総額、1〜9月期に7兆9000億元
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【11月9日 東方新報】中国自然資源部は3日、2025年1〜9月期(第1〜第3四半期)における中国の海洋経済が、全体として安定しながら着実に前進する良好な局面を示したと発表した。速報値によると、同期間の全国海洋生産総額は7兆9000億元(約170兆5467億円)で、前年同期比5.6%増となった。
自然資源部によれば、沿海地域および関係部門は国内外の複雑な情勢に対応し、海洋分野のマクロ政策を効果的に実施。海洋分野の新たな生産力の育成と発展を加速させた結果、海洋産業は堅調に拡大し、資源供給も安定。企業の経営状況は概ね良好で、海洋科学技術の革新が進展し、対外貿易も着実に拡大したという。
同部は、「海洋経済が国民経済における堅固な『青い支え』となっている」と強調した。
部門別では、まず海洋資源の供給水準が着実に向上した。全国で認可された海域および島嶼の使用面積は26万2000ヘクタールで、前年同期比19.2%増。これらのプロジェクトに関連する投資額は6419億元(約13兆8574億円)に上った。海上風力発電の新規送電容量は42.1%増加し、海洋水産物の生産量も4.8%増加した。
また、新興の海洋産業も加速的に発展している。海洋医薬の研究開発が着実に進み、海洋情報サービス産業の育成も進展。さらに、海洋関連の金融市場も活発化の兆しを見せている。
一方、伝統的な主要海洋産業も回復基調を維持。造船分野では、新規受注量・完成量・保有注文量のいずれも引き続き世界トップ水準を保っており、海洋観光業も持続的に回復している。
自然資源部海洋戦略計画与経済司の担当者は、「第3四半期までの間に国家のマクロ政策が実を結び、経済成長を後押しするプラス要因が増えている。中国の海洋経済は新たな段階へ向かう前向きな動きを見せている」と述べた。
その一方で、「外部環境には依然として不安定要素や不確定要因が多く、海洋経済の質の高い発展には依然として圧力が存在する」と指摘。今後については、「海洋科学技術の革新と産業の高度化を一層加速させ、新たな生産力の育成を強化しながら、中国の海洋経済を質の高い発展軌道へと導いていく」との方針を示した。(c)東方新報/AFPBB News