【11月8日 東方新報】「5.9元(約127円)、7.9元(約170円)、14.9元(約321円)——蜜雪氷城(Mixue)もついにビールを売り始めた。もう飲んでみた?」

お茶とお酒の「融合」に挑戦したのは、同社が初めてではない。ここ数年、多くの新興ティードリンクブランドが「茶×酒」という新しい分野に相次いで参入している。早くも2023年9月には、瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー、Luckin coffee)が貴州茅台酒(Kweichow Moutai)とコラボして発売した「醤香ラテ」が、1日で542万杯以上を売り上げ、売上高が1億元(約2億1588万円)を突破する記録を打ち立てた。その後も「茶百道(ChaPanda)」「茶顔悦色」「益禾堂(YH.TANG)」「奈雪的茶(NAIXUE)」など、有名ブランドが相次いで酒とのコラボや酒類関連の新業態に挑戦している。この動きには大きく二つのパターンがある。ひとつはミルクティーとお酒を組み合わせて新商品を開発するタイプ。もうひとつは新ブランドを立ち上げ、独立した新事業として展開するタイプだ。

新興ティードリンクブランドが次々と「酔いビジネス」に手を出す背景には、激しいブランド競争と革新への渇望がある。マーケティング理論では、ブランドにもライフサイクルがあるとされる。どんなに人気を誇ったブランドでも、時間の経過とともに消費者の関心は薄れ、カテゴリーが固定化し、イメージが硬直化するという宿命を避けられない。「新消費時代の後半戦」と言われるいま、中国の新茶飲市場はすでに「ブルーオーシャン」から「レッドオーシャン」へと変わり、同質化競争が激化している。データによると、2024年の市場規模は3500億元(約7兆5558億円)を突破したものの、上位5ブランドのシェアはすでに約40%に達し、成長スピードは鈍化傾向にある。こうした状況下で、既存の消費層を超え、新たな成長軌道を見つけ出すことが業界共通の課題となっている。

そんな中、「ほろ酔い」をキーワードにしたビジネスは、新興ティーブランドが消費者層を広げるための突破口となっている。いまの消費市場では、「感情」や「共感」が購買を動かす主要な原動力になっている。若い世代の消費者は、単なる物質的な満足よりも、共感や心理的充足を求める傾向が強い。彼らは「気分を楽しむ」ための体験や「共感できる」ブランドにお金を使うのだ。つまり、新興ティーブランドが売っているのは単なるアルコール飲料ではなく、消費者との感情的なつながりを深める新しいライフスタイルとも言える。お酒を「飲む」という行為を通して、気分を共有し、自分を癒す時間を提供しているのだ。

今年7月、人気ブランド「茶顔悦色」は、民間経済に関するインタビューの中で、新たな分野に挑戦する理由について「どんな時代でも生き残るためには、最高の品質とサービス、そして何よりも揺るぎない革新が必要です」と述べた。確かに、変化の激しい消費市場において唯一変わらないのは「変化そのもの」だ。既存の枠を打ち破る勇気こそが、この時代のブランドが生き残り、進化するための必修科目なのかもしれない。(c)東方新報/AFPBB News