【11月6日 AFP】フィリピン中部で台風25号(アジア名:カルマエギ)による甚大な洪水被害が発生し、少なくとも140人が死亡し、127人が行方不明となっていることが6日の公式発表で明らかになった。

セブ州では今週、前例のない規模の洪水が町や都市を襲い、車両、川沿いのバラック、巨大な輸送コンテナまでもが流された。

国家市民防衛局は6日、114人の死亡が報告されたことを確認したが、この数字にはセブ州当局が記録した28人の死者は含まれていない。

セブ市近郊の町リロアンでは、浸水した地域から35人の遺体が収容された。AFPの記者は、洪水で車が積み重なり、建物の屋根が飛ばされた状態を目撃している。

また隣接するネグロス島では、少なくとも30人が死亡した。カンラアン市では、激しい雨が火山泥流を引き起こし、家をのみ込んだという。地元当局の警部補は、「昨年からのカンラアン火山の噴火で、火山物質が山頂部に堆積していた。雨が降り、それが村に流れ込んだ」と話している。

フィリピンの気象当局によると、台風上陸前の24時間でセブ市周辺の降水量は最大183ミリに達し、月平均の131ミリを大幅に上回った。

台風25号はベトナムに接近する中で勢力を強めており、6日午前8時(日本時間同9時)時点で最大風速は毎秒約43メートル、瞬間風速は毎秒約53メートルに達している。

6日夜にはベトナム中部に上陸する見込みで、ベトナムの気象当局によると最大8メートルの高波や高潮が予測されている。(c)AFP