【11月14日  People’s Daily】今年はチベット自治区(Tibet Autonomous Region)成立60周年にあたる。8月5日の国務院新聞弁公室の記者会見で、チベット自治区党委員会書記の王君正(Wang Junzheng)氏と同区党委員会副書記・自治区主席のカーマ・ツェデン氏が、チベットの経済と社会発展の成果を紹介した。

2024年、チベット自治区の総生産額(GDP)は2765億元(約5兆8673億円)に達し、実質価格(物価変動を除いた価格)で計算すると65年の155倍となった。

王書記は「60年間の発展過程において、区全体の生産総額が最初の1000億元(約2兆1220億円)に達するには50年を要したが、2番目の1000億元にはわずか6年しかかかっていない」と強調した。

21年以降、チベット経済の発展規模は拡大を続け、発展の質と効率は顕著に向上した。クリーンエネルギー、文化観光、高原軽工業などの現代産業が活発に発展し、現代的な産業体系が初步的に確立された。主要経済指標の伸び率は数年にわたり全国のトップクラスを維持しており、今年の区全体の生産総額は3000億元(約6兆3660億円)を突破し、3番目の1000億元の目標を達成する見込みだ。

インフラ整備も着実に進展している。24年末現在、チベットの道路開通総延長と鉄道営業距離はそれぞれ12万4900キロと1359キロに達し、国際・国内航空路線は183路線に上った。また送電網では「青海(Qinghai)‐チベット」「四川(Sichuan)‐チベット」「チベット中部」「ガリ地区」の4つのラインが完成・稼働し、主要な送電網は全ての県(区、市)をカバーするようになった。

王書記は「チベットの経済社会発展を制約していたボトルネック問題は大幅に改善され、チベットの高品質な発展に強大な活力を注ぎ込んでいる」と述べた。

チベットには悠久の歴史と輝かしい文化があり、自然の景観は唯一無二のものである。人文資源は多彩で豊富で、重要な中華民族の特色文化保護地、重要な世界観光目的地として、文化観光産業を発展させる上で他に比類のない優位性を持っている。近年、チベットの文化観光産業は活気に満ち、著しく発展している。

カーマ・ツェデン氏の説明によると、24年の区全体の文化産業生産額は23.8%増加し、国内外の観光客延べ6389万人を受け入れ、前年比15.8%の増加となった。このうち、海外からの観光客は188.2%の増加を記録した。今年上半期には、国内外の観光客が延べ3218万4800人に達し、前年同期比11.7%増加した。

同時に、人民生活水準も顕著に向上している。24年、チベットの都市部住民一人当たり可処分所得は年間5万5444元(約117万6522円)に達し、65年の121倍となった。また農牧民の一人当たり可処分所得は年間2万1578元(約45万7885円)に達し、65年の199倍となった。

「貧困脱却の戦い」は全面的な勝利を収め、チベットは絶対的貧困の問題から完全に脱却した。教育事業を優先的に発展させ、幼稚園から高校までの15年間の公費教育をいち早く実施した。都市と農村の公共医療衛生サービス体系は絶えず整備され、農牧民の健康診断は全面的なカバー率を実現し、平均寿命は72.5歳にまで向上した。都市化建設は加速的に推進され、近代的な特色ある町が雪域の高原にいくつも立ち並んでいる。

チベット自治区成立60年来、特にこの5年間、民生プロジェクトと事業は大力で推進されてきた。カーマ・ツェデン氏は「各民族の民衆の生活は、水桶から水道管へ、灯油ランプから電灯へ、土の道から舗装道路へ、ゲル(テント)から高層住宅へと、劇的な変化を遂げた」と話す。

第14次五か年計画の期間中、国と自治区は28種類の社会事業分野のプロジェクトを手配し、総投資額は246億5000万元(約5230億7300万円)に上り、現在までに236億7800万元(約5024億4716万円)の投資が実行に移されている。

高海抜地域における集中暖房・酸素供給、農牧地域の季節的な断水問題は解決され、電力供給の信頼性が向上し、光ファイバー・ブロードバンドと4Gネットワークの全域カバーなどの民生分野の実用的プロジェクトが着実に実行されている。

チベット高原は世界の屋根、アジアの給水塔であり、チベットは中国の重要な生態の安全を守る障壁である。チベット高原の生態環境をいかに保護し、チベットの生きとし生けるもの、草木、無数の山河を、どのように守っていくのか?

これについて「法に基づく最も厳格な生態保護制度」を実行するとしている。「二高一低(高エネルギー消費、高汚染、低技術水準)」のプロジェクトと企業に対するゼロ審査、ゼロ導入の姿勢を堅持する。汚染を伴うプロジェクトの高原進出を断固として認めず、国立公園建設を積極的に推進し「南北山緑化プロジェクト」を深く推し進める。「生態保護レッドライン(厳格管理の限界線)」の面積は区全体の面積の50%以上を占め、各クラス・各種の「自然保護区」の面積は37.95%に達している。

また、低炭素発展を深く推進するとしている。24年、チベットのクリーンエネルギー発電量の比率は99%を超え、全国で最も高い地域となった。非化石エネルギー消費の比率は55%を超え、全国でトップクラスである。

今やチベットは、世界で生態環境が最も良好な地域の一つだ。王君正書記は「緑の山と清らかな水は貴重な宝であり、氷雪の大地もまた貴重な財産だ」という理念を強固にすべきと強調している。「生態環境の守り手として、持続的にチベット高原を全人類共通の生態の財産とし、『地球生命共同体』の共同構築に向けて、新たなより大きな貢献をするつもりだ」、王氏はこのように抱負を述べた。(c)People’s Daily /AFPBB News